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1日に3000万人が訪れるウイルス情報サイトを作った17歳…8億円のオファーを断った理由とは

5/21(木) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

ワシントン州の17歳、アビ・シフマン君は、1日3000万人以上が訪れる新型コロナウイルス統計情報サイトを構築した。

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サイトに広告を掲載することで大金を稼ぐチャンスもあったが、彼はユーザーの使いやすさを優先させた。

ベンチャーキャピタルや投資家とのコネクションが、将来役立つだろうとシフマン君は考えている。

17歳の高校生、アビ・シフマン(Avi Schiffmann)君は、学校の課題には取り組めていないが、それにはちゃんとした理由がある。彼は世界的にもかなりの訪問者数を獲得している新型コロナウイルス統計情報サイト「nCoV2019.live」の作成者だ。現在は、自由になる時間の「100パーセント」をその作成に費やしている。

新型コロナウイルスのパンデミックは、すぐには終息しそうもない。シフマン君はその時がくるまで、統計情報を引き続き追跡する計画だ。サイトを公開している間は、更新を続け、新たな情報も追加していくという。パンデミックが無事に終息したら、サーバーを停止し、COVID-19とSARSやスペイン風邪を比較したサイトを作成するかもしれないという。この統計情報は人々がコロナウイルスについて振り返ることのできる歴史の一部になる可能性があると、彼は考えている。

シフマン君のサイトには、一般の人がCOVID-19について知りたいであろうすべての情報が網羅されている。世界保健機関(WHO)、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)、その他の政府機関のウェブサイトから集めたデータに基づき、世界各国の感染者数、死亡者数、回復者数、変化率などの統計情報が、常に更新されている。新たな機能も頻繁に追加されており、生存確率を計算できる機能もその1つだ。さらに感染者の統計情報を国別に表した地図や、手の洗い方、症状のチェックリストといったウイルスに関する基本情報も掲載されている。

シフマン君は自ら作り上げたサイトを誇りに思っているが、パンデミックに乗じて名前を売り込むような人にはなりたくないという。このようなサイトは「将来的にはWHOが責任をもって作ってほしい」と彼は言う。

「その辺の子どもが責任を負うべきものではない。だが、統計情報が求められているのは明らかだ」

確かにこれは重大な責任だ。インタビューの前の晩から当日の朝7時まで、彼は図表のエラーを直していた。これまでにサイト構築に費やした時間は、少なくとも数百時間になるという。50時間連続で作業を続けたこともある。「生活を乗っ取られたみたいだ」と彼は言うが、すぐに「喜んでそのプレッシャーを引き受ける」と付け加えた。

サイトの統計情報は全世界をカバーしているため、いつでも誰かがチェックしている。毎日、世界中すべての国の人が訪れることは「クール」だと彼は感じている。だが、数値の確認にずっと時間を費やすわけにもいかない。もし就寝中にサイトに問題が発生したら、何百、何千と送られてくるメールに起こされる。このサイトを立ち上げたことに対する責任を、彼は真剣にとらえている。

「私は本当にひどい高校生だった。このサイトの人気が出てきた頃、2週間も学校を休んでしまったんだ」

サイト構築に集中して、運営を軌道に乗せるためだった。

このサイトの人気は非常に高く、訪問者は毎日約3000万人だ。これまでのトータルでは7億人に上る。そのため、サイトへ広告掲載のオファーがあってもまったく不思議ではない。実際にサイトの運営を維持することで800万ドル(約8億6000万円)というオファーもあったが、シフマン君は断った。また、自分で広告枠を設置して募集すれば3000万ドル(約32億1000万円)以上稼いでいたかもしれないが、それはこのサイトが目指すところではない、とシフマン君は言う。

「私はまだ17歳だ。800万ドルもいらない…利益をあげようとは思っていない」

広告については、みんなが聞いてくることもあって、はじめは話したくない様子だったが、やがて自分の考え方について語り始めた。シフマン君は、サイトを売却したことでコントロールできないものになってしまい、ポップアップなどでユーザーインターフェイスが台無しにされたりするのを望んでいないと言う。契約でサイト維持の義務を負うことや、意に沿わないことをさせられたりするのも嫌だった。また彼は世界各国からアクセスしてくる訪問者の多くがあまり速くないインターネット回線を利用しているのを知っていたので、広告やトラッキングシステムを付加すると読み込みが遅くなり、使えないサイトになってしまう可能性もあるとも考えた。

サイトでは寄付金の募集もしているが、当然ながら800万ドルには届かない。

「将来のために、汚点となるようなことはしたくない。私の決断について、いずれ後悔することになるだろうと言う人もいる。だが私には、将来やりたいことがたくさんある」

彼はすでにマイクロソフト(Microsoft)などの企業から仕事のオファーを受けているが、今はそういった仕事には興味がない。また、自分のプロジェクトを今後も続けていきたいので、仕事でコーディングをした後に「さらにコーディングをする気にはとてもなれない」という。それよりも、今回のプロジェクトで築いたコネクションをもっと大事にしていきたいという。

「たくさんのベンチャーキャピタルや投資家と知り合うことができた。もし私が明日会社を作ったら、少なくとも事業計画書くらいは読んでくれると思う」

今のところ、彼が一番興味を感じているのは、セキュリティ関連企業のクラウドフレア(Cloudflare)とのコネクションだ。シフマン君はサイトをDDOS攻撃から守るために同社のサービスを使用している。CEOのマシュー・プリンス(Matthew Prince)は、ツイッターでシフマン君と交流したり、クラウドフレアのTシャツを贈ったりしている。

シフマン君は、ビル・ゲイツ(Bill Gates)と語り合うことを夢見ており、特に興味を持っているのはテクノロジーと公衆衛生の関わりだ。

[原文:A 17-year-old built one of the most popular coronavirus-tracking websites in the world, with over 30 million visitors a day. He explains why he turned down $8 million to put ads on his site.]

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

Mary Meisenzahl

最終更新:5/21(木) 12:10
BUSINESS INSIDER JAPAN

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