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申請おろおろ、行政ばたばた

5/22(金) 8:02配信

山形新聞

 新型コロナウイルス対策として国民1人10万円を配る「特別定額給付金」で、申請手続きに戸惑う高齢者が多く、市町村が対応に追われている。郵送とオンライン申請が原則だが、例外的に役所の窓口で受け付けたり、職員が住民宅に赴いて書き方を手伝ったりするケースも。全国的には詐欺被害が起きており、現場では注意を呼び掛けながら、迅速で確実な給付を目指している。

 「いくら書類を読んでも申請方法が分からなくて…」。21日午前、山形市内の男性(77)が市役所の相談窓口を訪れた。職員にコピー機まで案内してもらい、身分証などの写しをそろえる。一式を封書に入れて職員に渡し、手続きを終えた。認知症の妻と2人暮らしで炊事洗濯に忙しく、誰にも相談できずにいた。男性は「あとは振り込みを待つだけだね」と安心した様子で帰った。

 山形市では20日現在で全体の約半数に当たる約4万7千通の申請があり、市特別定額給付金室で確認と支給事務を進めている。その中で、19日ごろから、申請方法の問い合わせなどで役所を訪れる人が増え始めた。「来た人を追い返すわけにはいかない」と平吹史成室長。役所での受け付けは例外とする。市は常設の市民相談係でも対応することにし、20日には約50件に応じた。

 他の市町村でも高齢者を中心に給付金申請の問い合わせなどで訪れる人で役所は混雑し、大石田町や村山市では来庁者が1日最大100人を超えたという。

 一方、小規模の町では独自の支援体制を組んでいる。県内で最も高齢化率の高い西川町では、高齢者だけの世帯に顔見知りの地区担当職員が赴き、申請書の作成を手助けしている。身分証のコピーを取るのが難しい人は、職員がデジタルカメラで撮影し、その写真をプリントして渡すことも。飯豊町では75歳以上の高齢者のみで生活する世帯に対し、自粛生活の困り事の相談に応じる事業があり、申請方法の援助のほか、コピー機のある公民館を紹介している。

 こうした高齢者の申請に関する不安につけ込む詐欺被害も懸念される。県消費生活・地域安全課によると、これまで定額給付金詐欺に関する相談は2件。個人情報や口座番号を尋ねる無料通信アプリ「LINE」のメッセージが来たり、何度もショートメールが届いたりしたという。ともに被害はなかったが、警察庁のまとめでは、コロナ関連の詐欺被害額は全国で3千万円を超えている。県警生活安全企画課は「県外では口座と暗証番号を聞き出されたケースも出ている。1人で悩まず、近所や周りに相談してほしい」と注意を呼び掛けている。

最終更新:5/22(金) 8:02
山形新聞

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