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お得な飲食券、車ない人に不公平?

5/23(土) 8:59配信

山形新聞

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済対策として、プレミアム付き商品券・飲食券の発行を県内自治体が相次いで打ち出している。消費者にとってうれしい事業だが、発行数の関係などで希望しながら購入できないケースもある。読者の疑問に応える「寄り添うぶんちゃん取材班」にも、鶴岡市の販売方式について「税金が投入されているのに不公平」との声が寄せられた。同市に取材すると、市内の経済を少しでも早く回したい市側の狙いが見えた。

 同市では、1セットで6千円分(500円券12枚つづり)となる「プレミアム付飲食券」を3千円で販売する。用意したのは3万1333セットで、1人当たり3セットまで購入可能とした。市内445(22日時点)の飲食店、旅館のテークアウト商品などに使用できる。

 販売の皮切りとなる23、24の両日は、小真木原運動公園駐車場で車に乗ったまま購入できるドライブスルー方式でのみ扱い、両日とも1万セットずつ用意した。残りは25~29日に市勤労者会館と各地域庁舎、6月1日以降は市役所で扱う予定で、完売次第、終了となる。

 読者が疑問視したのは、こうした販売方法だ。「車がないと買えない、行かないと買えない。高齢者や体が不自由な人にとっては買いづらく、大きな疑問、不満を感じる」との指摘だった。さらに「希望すれば、少なくとも1セットは購入できるようにしてほしい」としており、その思いには共感できる。この問いを市側に投げ掛けると「買える人、買えない人が生じる可能性は認識していた」という。では、なぜ今回のような販売方法にしたのだろうか。

 今回の事業は、新型コロナの影響で売り上げが大きく落ち込んだ飲食業者らの支援を目的としている。外出自粛などで痛手を受けた事業者は、いち早くお金が回ることを期待しており、飲食券の販売・利用も早急な対応が求められる。一方、券の購入のために多くの人が集まってしまう状況をつくれば、「3密」が生じて感染リスクが高まる。これを防ぐ手段がドライブスルー方式だったという。

 苦しんでいる飲食業者らを助けたい。その思いを抱く全ての人が、手軽に飲食券を入手できる仕組みであればベストなのだろう。一方で、ドライブスルー方式が交通上の混乱を招く懸念もある。事業の効果と併せ、これからも注視していく。

最終更新:5/23(土) 8:59
山形新聞

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