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黒川氏の賭け麻雀は「非違行為」に該当 東京高検作成の資料で明らか

5/23(土) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の発令中に新聞記者らと賭けマージャンを行ったとして、辞職に追い込まれた黒川弘務東京高検検事長(63)。法務省の内部調査に対し、黒川氏は賭けマージャンを認めたものの、科せられた処分は国会公務員法に基づく懲戒ではなく、内規に基づく「訓告」だった。

 6000万~7000万円になるとみられる退職金に対して国民はカンカン。ゴタゴタは当分、収まりそうにない。

「もちろん許されるものではないが、社会の実情を見たところ必ずしも高額とは言えない」

 22日の衆院法務委。法務省の川原隆司刑事局長は、黒川氏が参加したマージャンの賭けレートが「点ピン」(1000点100円)だったと明らかにした上で、こう答弁していた。要するに「高額とは言えない」から軽い処分の「訓告」にとどめ、退職金の満額支給も問題ない、と言いたいわけだ。委員から「おかしい」とヤジが飛ぶと、川原刑事局長は「処分の量定に当たっての評価だ」などとはぐらかしていたが、そうはいかない。すでに法曹界からは「黒川氏の賭けマージャンは、東京高検が作成した非違行為に触れている」との声が出ているからだ。

■マージャンは信用失墜行為の代表例

<品位と誇りを胸に 今一度見つめなおそう 自分の行動と職場の風土>

「東京高等検察庁非違行為等防止対策地域委員会」は2013年9月、東京高検及び管内の職員に対し、こう題した資料を作成し配布した。

 資料の冒頭には<国民の期待と信頼に応えるよう一層気を引き締めて非違行為等の防止に万全を期してください>とあり、法務官僚や検察官が行ってはならない事例や具体例が示されている。

 例えば<第2 服務規律>では、<信用失墜行為については、刑事罰の対象となる事案が多く、そのほとんどは刑事罰に加え免職などの懲戒処分を受けることになります>とあり、信用失墜行為の代表例としてこうある。

<勤務時間外の交通違反・事故、麻雀等の常習賭博、わいせつ行為等の犯罪行為>

 要するに黒川氏の賭けマージャンは<わいせつ行為>と並ぶ重大な信用失墜行為であり、本来は免職や懲戒処分が相当なのだ。そして、<第3 国家公務員倫理法、同倫理規定>では、<利害関係者とみなす者>として<マスコミ関係者>が挙げられ、<利害関係者から、無償で役務の提供を受けてはならない ※「無償で役務の提供を受ける」とは、ハイヤーによる送迎の受けることがこれに該当します>とある。

 さらに、<利害関係者と一緒に遊技又はゴルフをしてはならない>とし、「遊技」の例で<麻雀>とわざわざことわっているほか、本省課長補佐級以上(検察庁においては、検事16号以上、副検事11号以上など)の職員は<事業者等から一件5000円を超える贈与等を受けたときは、四半期ごとに、翌四半期の初日から14日以内に、各省庁の長等に贈与報告書を提出しなければなりません>とあるのだ。

 法務省によると、黒川氏は、産経新聞と朝日新聞の記者ら計3人とマンションで賭けマージャンし、記者側が用意したハイヤーで帰宅していた。つまり、「利害関係者」から「無償の役務提供」を受け、禁止された「遊技」=マージャンに興じていたわけだ。

 週刊文春の報道によると、黒川氏と賭けマージャンした記者は「一晩で10万円負けた」とボヤいていたらしいが、それが事実であれば、黒川氏が果たして贈与報告書を提出していたのかも気になるところだ。いずれにしても、黒川氏の今回の賭けマージャンは東京高検が注意を呼び掛けた非違行為に該当するのは間違いない。やはり訓告という大甘処分ではなく、更迭、懲戒免職、賭博罪での立件が妥当だ。

最終更新:5/23(土) 11:47
日刊ゲンダイDIGITAL

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