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「あなたも反省しないといけない」。夫が逮捕された加害者家族の女性を追い詰めた警察の一言

5/23(土) 9:01配信

ハフポスト日本版

新聞記事を貼り付けた“手紙”がまかれた

事件をめぐる迷惑行為の被害にもあった。

逮捕を報じた新聞記事のコピーを貼り付けた怪文書が、女性宅として報じられた住所周辺の家に郵送でまかれていたという。

警察からの電話で知らされ、女性は促されるまま被害届を出したが、今も容疑者は捕まっていない。

「新聞に載ったインパクトも大きかったのですが、これがまた利用され、何か気にくわないことがあった時にコピーがばら撒かれるのかなと思うと...」

「WORLD OPEN HEART」代表・阿部恭子さんも、メディアに報じられるかどうかで加害者家族の運命が変わると指摘している。

事件を正しく伝える必要がある一方で、報じられた加害者が誹謗中傷の対象になったり、必要以上の社会的制裁を受けるきっかけを与えたりすることもある。

女性は「記事がそうしたことに使われているということも認識してほしいです」と訴える。

相談できない。「吐き出す場が欲しかった」

加害者家族は社会から孤立している。その原因の一つは、家族が逮捕されたという負い目や、人に危害を加えたという理解を得られない内容から、相談できる相手がほとんどいないためだ。

『WORLD OPEN HEART』の阿部さんは、社会の支援先が少ないことや、同時に「家庭の問題を外に出して誰かに頼るという意識にしていかないと」という課題を挙げている。

女性も不安な気持ちをひとりで抱え込んできた。『WORLD OPEN HEART』といった支援団体の存在も知らなかった。

「友達などには相談できない。発散できる場や心情を理解してくれる人はいません。私が何かしたわけでなくても、危害を加えた側となると、助けてくれるところがあるというふうに考えもしなかったです」

また、打ち明けたいという気持ちがあるが、実際は「怖くて踏み出せない」と躊躇する。

「打ち明けることで何かデメリットが出ないか。天秤にかけた時に、不安な気持ちが勝ってしまう。一度噂が広まってしまうと、その中で生きていくのは難しい。もやもやした気持ちはずっと続いて、解消されることはないと思います」

女性から編集部の記事宛に寄せられたメールには、「どうしても話したかった」と行き場のない思いや葛藤がつづられていた。

「(記事に出てくる話が)自分のと(境遇が)似ていたので、きっと吐き出す場が欲しかったんです。第三者に対して、こういうことあったということを...」

女性にはまだ小さい子供がいる。事件のことを説明したほうがいいのか。そうするなら、いつのタイミングがいいのか。悩みは尽きない。

「話すことで、子供が『自分も同じようになるのではないか』と思ってしまうのではないかと考えると、怖いです。周りの人や他の家族などひょんなところから知るよりは、伝えたほうがいいのかなと思ったりもします。今すぐにというわけではないですが、伝えるタイミングもそうです。それがこれからの課題です」

ハフポスト日本版にご自身の体験を語ってくださる方がいましたら、rio.hamada@huffpost.jpまでご連絡をお寄せください。

浜田理央 / ハフポスト日本版

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最終更新:5/23(土) 10:42
ハフポスト日本版

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