ここから本文です

ORIGINAL LOVEの『風の歌を聴け』は“このグルーブを聴け!”と言いたくなる名盤

5/23(土) 18:03配信

OKMusic

OKMusicで好評連載中の『これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!』のアーカイブス。今回はORIGINAL LOVEの『風の歌を聴け』を紹介したい。ORIGINAL LOVEの名盤を考えた時、やはり真っ先に思い浮かぶのは「朝日のあたる道 AS TIME GOES BY」が最後に収録されている本作だ。世代を超えて長く愛され続けているアルバムであり、心地良いグルーブに貫かれた楽曲たちはノンストップで聴いても飽きることがない。
※本稿は2016年に掲載

渋谷系と定義付けられた当時

1993年にドラマの主題歌に起用された「接吻kiss」のヒットにより、世の中の注目を集めたORIGINAL LOVE。当時の音楽シーンのことを知っている人は、“渋谷系”という言葉を懐かしく思い出すだろう。そのムーブメントのきっかけとなったのが小山田圭吾と小沢健二によるネオアコ系ユニット、フリッパーズ・ギターで、ピチカート・ファイヴ(田島貴男は一時期、ピチカートのメンバーであり、ORIGINAL LOVEとの活動を並行して行なっていた)、ORIGINAL LOVE、カヒミ・カリィなどが、渋谷系に位置付けられ、都会的でお洒落なポップミュージックとして若者に認知されていった。

ジャンル(?)の発信源は渋谷の大型CDショップ、HMVだとも言われているが、曖昧な“渋谷系”という枠に入れられることを嫌うアーティストは当然のことながら多く、ORIGINAL LOVEの田島貴男はもライヴのMCで“渋谷系とは呼ばないでほしい”と発言して話題になった。その時の言葉に憤りが込められていたのは覚えているし、会場を出てからも頭から離れなかった。たぶん、来場者はORIGINAL LOVEの音楽を一過性のモードな音楽だとは捉えていなかっただろうから、ファン以外の人に向けて思わず放った言葉だったのだろう。今の時代だったらSNSで大騒ぎになっちゃうんだろうか。

ちなみに田島貴男を中心に結成されたレッドカーテンがORIGINAL LOVEに名前を変更し、活動を開始したのは1987年で、1991年にメジャーデビューを果たす。メンバーの脱退を経て、田島貴男、木原龍太郎、小松秀行の3人にドラマーとして佐野康夫がレコーディングに参加して制作されたアルバムがオリコンチャートの1位を記録した『風の歌を聴け』である。最初に本作を聴いた時の衝撃は1曲目の「The Rover」抜きには語れない。砂埃が上がるようなファンキーなサウンド、小松のクールなベースライン、佐野のシャープなビート、田島の熱を帯びたヴォーカル…そのお洒落というよりは、むしろ暑苦しいの一歩手前のギリギリ感がたまらない。

『風の歌を聴け』をリリースした後、ORIGINAL LOVEはレコード会社を移籍。アルバムを1枚リリースするものの、メンバーは抜け、それ以降、ORIGINAL LOVEは実質、田島貴男のソロユニットになる。2015年にリリースしたアルバム『ラヴァーマン』では小松と佐野のリズムセクションが復活しているが、『風の歌を聴け』の頃のようなサウンドを聴きたいというリスナーの声が多かったのも復活の一因だったという。それぐらい、このアルバムは強烈な印象を刻み込んだのである。

1/2ページ

最終更新:5/23(土) 18:03
OKMusic

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事