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近所の「ゴミであふれた」空き家、もしかして”所有者不明”の不動産? 相続した実家を荒れさせないために

5/23(土) 17:10配信

相続会議

持ち主が分からなかったり、多くの共有者がいて困ったりする所有者不明土地の問題が、全国に広がっています。対策を講じるため、国は民法・不動産登記法の改正に関する中間試案をまとめました。所有権に関する規制も盛り込んだ法制化も検討しており、今秋が大きな節目となりそうです。ファイナンシャル・プランナーの佐藤益弘さんが解説してくれました。

「所有者不明土地問題」とは

2017年(平成29年)12月に公表された所有者不明土地問題研究会(一般財団法人国土計画協会)の最終報告で「2016年(平成28年)時点の所有者不明土地面積は、地籍調査を活用した推計で、約410万haあり、九州(土地面積:約367万ha)以上に存在する」という衝撃的な報告がされました。

そもそも「所有者不明土地」とは、「所有者台帳(不動産登記簿等)により、所有者が直ちに判明しない、又は判明しても所有者に連絡がつかない土地」と定義づけられています。

例えば、
・ 登記簿や固定資産課税台帳など所有者がわかる台帳が更新されていない土地
・複数の台帳で記載内容が違うことから、「誰がその土地の所有者か?」直ぐに特定することが難しい土地
・所有者は特定できても、その所有者の所在(転出先や転居先)がわからない土地
・登記名義人が既に亡くなっており、その相続人(所有権者)が多数となっている共有地
・所有者がわかる台帳に、全ての共有者が記載されていない。つまり、その土地の所有者がわからない共有地
のことです。

所有者不明土地ができる理由

何故、この様な状況は起きるのでしょうか?

その主な理由は、相続時に登記をしなくてよく、困らないためです。ただ、それは「その時」だけです。

少々ややこしいのですが、そもそも登記とは「どのような不動産か?」「誰がその不動産の所有権などの権利を持っているか?」ということを証明する制度です。

「ここに、こういう不動産(土地・建物)があるよ」と伝える表示の登記は、税務当局が把握したいという背景もあり、法的にも強制です。

その一方、「不動産を持っているのは誰か?」「この不動産を担保にお金を貸しているのは誰か?」という権利に関する登記は、法的にも任意の制度です。

このため、相続発生時に登記をしなくても法的に問題はありません。親族間の中で、明確に所有者が分かっていて、固定資産税など定期的に掛かる費用を負担していれば、誰にも何の迷惑も掛けずに済むわけです。

むしろ、登記をするのに書面を用意したり費用が掛かったりするので、手間や経済的な負担が掛かる分、損をするので「登記しないほうが得!」ということになります。

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最終更新:5/23(土) 17:10
相続会議

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