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災害時の避難所「3密」どう回避? 感染防止へ間仕切りや資材 台風19号で1500人避難の富岡市

5/23(土) 9:03配信

上毛新聞

 新型コロナウイルスの完全な終息が見通せず、災害時に感染リスクを避けた上で避難できるかが課題となっている。群馬県富岡市では男女3人が死亡した昨年10月の台風19号(令和元年東日本台風)の際、6カ所の指定避難所で収容しきれないほどの避難者が集まり、各所で「3密」の状態となっていた。同市は感染を防ぐ資材の確保をはじめ、新たな避難所の準備、市民への啓発を急ぐ。

◎ビニールシートで飛沫感染防止

 「人がぎっしりで、とても横になれないから車中で寝た」。3人が死亡した土砂崩れが起きた同市内匠の女性(70)は、台風19号接近時の避難経験をこう語る。最寄りの指定避難所である内匠公会堂には多数の地域住民が身を寄せていた。

 夫(71)は「寝付けず、隣の人としゃべり続ける人もいた」と振り返った。公会堂内は密閉、密集、密接の「3密」だったと指摘した。「災害はいつ起きるか分からない。新型コロナがある今、安全に逃げられるかどうか」と話した。

 市内には22カ所の指定避難所があり、台風19号接近時は最大で計1501人が避難した。うち6カ所で収容人数(合計530人)を上回った。市は収容人数を1人当たり3平方メートルを基準に算出しているが、仮に規定通りの人数が避難したとしても、「間違いなく密になる」という。

 新型コロナの複数の感染者が市内2カ所の事業所で確認され、市は危機感を強め対策を急いでいる。

 避難所内の飛沫(ひまつ)感染などを防ごうと、ビニールシートを備え付けた段ボール製の間仕切りを、30区画分用意。市営住宅20室も確保した。小中学校の特別教室や武道場を活用できるよう調整、約190カ所ある地域の公会堂を「地域避難所」に認定し、有事に使えるよう準備する。市内77カ所の行政区ごとに最低1カ所の避難所を設け、避難者の分散を図る。

 マスク、消毒液、非接触型の体温計といった感染リスクを避ける備品も準備しているが、できるだけ持参して避難するよう広報紙などで市民に周知する。市新型コロナ対策室長を兼務する石井康彦・危機管理課長は「密になるから避難所に逃げない、という事態は絶対に避けたい」と話す。

 内閣府も避難する際の注意事項を公表。新型コロナが終息していなくても「災害時には危険な場所にいる人は避難することが原則」などと強調している。

最終更新:5/23(土) 9:03
上毛新聞

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