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「親子」関係を見直す電機業界、コロナ後の成長探る

5/23(土) 15:17配信

ニュースイッチ

「収益改革」競う、周回遅れのパナソニック

 ソニーが金融事業を100%子会社するなど事業再編モードが加速している電機業界。新型コロナウイルス感染拡大で社会構造が変化する中、各社の対応力が問われる。

ハイテクは完全子会社化へ、残る日立の上場子会社「金属」「建機」はどうなる?

 ソニーと同じくグループ再編を進める日立製作所や東芝の共通点は、社外取締役が過半を占める取締役体制にある。もともと日本特有の親子上場問題はコーポレートガバナンス(企業統治)などの観点で欧米からの批判は多かった。

 親子で事業上の関係が深ければ、完全子会社化して一体運営するのが筋だ。親会社としても少数株主持ち分の利益が外部に流出してしまうため、社外取締役が問題の是正を求めて当然だろう。

 日立製作所は7月ごろまでに上場子会社だった日立ハイテクを完全子会社化する。日立製作所のIoT(モノのインターネット)技術を活用し医療分野での連携を強化するのが主な狙いだ。一方で、同じ上場子会社の日立化成は昭和電工に売却し親会社とのシナジーを再編基準に選択と集中を加速している。

 東芝も上場子会社だった東芝プラントシステム、ニューフレアテクノロジー、西芝電機を完全子会社化した。これまでも事実上、親子一体で技術開発などの事業運営を行っており、企業統治への懸念を払拭(ふっしょく)した格好だ。

 残る上場子会社は東芝テックのみだが、今のところ親子関係に変化はなさそう。東芝が買収してグループ入りした歴史的経緯もあって、距離感はそれほど近くない。

 パナソニックはポートフォリオ改革が思うように進んでいない。08年に松下電器産業から社名を改め、パナソニック電工(旧松下電工)、三洋電機を完全子会社化したが、プラズマディスプレーへの過剰投資がたたり、11、12年度に7500億円を超える巨額の当期赤字を計上。12年に就任した津賀一宏社長は、プラズマディスプレー事業の撤退を決め、BツーB(企業間)ビジネスへ事業シフトする方針を打ち出した。

 しかし津賀社長の改革も半導体、テレビといった不採算事業の整理に時間がかかり成長の柱に据えた「住宅」と「車」は成長をけん引する事業に育て切れていない。18年には「くらしアップデート業」を新たな企業像として掲げたが、その実体はおぼろげで収益貢献には時間がかかりそうだ。

 改革の一環で買収した事業もパナソニック電工を除き思い描く成果を上げていない。三洋電機の太陽光パネルは生産撤退を決定。車載用角形電池や住宅はトヨタ自動車との共同出資にかじを切った。米国で買収した冷凍冷蔵ショーケースは既存事業との相乗効果を発揮できておらず欧州の車載機器はのれんを減損。津賀社長は19年から「赤字事業を撲滅する」として不採算事業の整理に再び本腰を入れるが日立やソニーに比べ改革の進捗(しんちょく)は周回遅れの感が否めない。

最終更新:5/23(土) 15:17
ニュースイッチ

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