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相次ぐドラマ放送休止 一方でシナリオライター志望増に驚き…コロナ禍で養成所受講生が例年の5割増

5/23(土) 14:04配信

中日スポーツ

「シナリオ・センター」小林幸恵代表に聞く

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、自宅で過ごす時間が長くなったことでシナリオライターを目指す人が増えている。ジェームス三木さんや内館牧子さんら人気脚本家を輩出した東京・表参道の養成スクール「シナリオ・センター」(小林幸恵代表)では4月以降の通学による授業を中断したものの、添削型の通信講座には新規受講者が殺到しており、例年の5割増という。そこで初心者向けの座学講座をオンラインに切り替えるなど受講態勢を急ピッチで強化している。

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 テレビドラマの放送一時休止が相次いでいる一方で、ドラマの筋書きを作るシナリオライターの卵が急増中だ。今年で創立50年を迎えたシナリオ・センターの小林幸恵代表(70)は驚きを隠せない。

 「コロナの影響で4月から通学での授業を中断しているのに、通信講座については新規の受講者が5割近く増えている」。初心者向けの講座には通学式と、教本を使う添削型の通信があるが、4月以降に限っては通信講座の新規受講者数が例年よりも1・5倍多い60人近くに膨れ上がっているという。

 同センターはジェームス三木さんや内館牧子さんのほか、映画にもなった小説「リング」の作家鈴木光司さんらを輩出した名門で、爆笑問題の太田光も通っていたという。ゼミを含めた現役在籍者は社会人や主婦、学生など多岐にわたり、その数は1500人ほどだ。

 東京の本部校舎は人の出入りがほとんどない。“3密”を避けるために通学による授業を4月から取りやめ、常時10人以上いる事務所も小林代表を含めて数人がいるだけだ。しかし、ニーズが高いことから授業の再開を模索し、受講環境づくりに取り組んでいる。

オンライン講座切り替えで、海外からも問い合わせ

 初心者向けの座学式の定期講座を途中からオンラインに切り替え、上級者向けのゼミの一部も実験的にウェブ会議アプリ「Zoom」を使ったライブ配信で実施。21日にはオンラインによるシナリオ相談室を開催するなど軌道にも乗り始めた。

 次の定期講座は5月末から始まるが、13日にオンライン配信での開講を告知した途端、海外から問い合わせが来たという。「通学で通えない地方からがほとんどだが、中には米国に住んでいる日本人の女性から『オンラインで授業を受けられるか』と…」

 小林代表は受講者が急増した理由について新型コロナによる社会情勢の変化を挙げる。「誰もが経験したことのないことが起きている。自宅での生活が増えていることもあり、この時期だからこそ、物を書きたいという人が増えているのではないか」と分析した。

 シナリオは『対立』『葛藤』『変化』の3要素が大事とされ、「物書きにとってもいい機会。ピンチを創作の力に変えてほしい。シナリオは人間を描くもの。こういう時期だから人間というものが見えるし、引き出しも増える」と話した。

 NHKでも出演者やスタッフが収録などで直接会わない「テレワークドラマ」が制作されるなど新機軸が続々と登場。ラジオドラマにも再注目されており、山梨県北杜市では5月からFM八ケ岳と連動した5分間のラジオドラマのシナリオコンクールを行っている。

 シナリオライターの世界も転換期を迎えつつある。

最終更新:5/23(土) 14:04
中日スポーツ

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