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コロナ不況で急増中「給与ファクタリング」にご注意を

5/24(日) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【「表と裏」の法律知識】#40

 ここ数年、「ファクタリング」という言葉をよく聞くようになったかと思います。「給与ファクタリング」とか……。

 これは簡単にいうと、他人が有する売掛債権を買い取って、その債権の回収をするビジネスのことをいいます。このファクタリング自体は、「基本的には」合法です。

「基本的には」としたのは、ファクタリングの名のもとに、弁護士法に違反する違法な貸金取り立てを行っていたり、困窮している方の足元を見て、債権を二束三文で奪ったりするような業者も相当数あるからです。

 そして今、「給与ファクタリング」という違法行為が、言葉巧みにSNSやLINEなどさまざまなネットツール上に蔓延しています。気をつけてください。

「給与ファクタリング」とは、例えば、給料30万円の会社員Aさんに20万円を渡して給料の権利を買い取り、後日、給料日にAさんの手元に入った30万円をそっくりいただくという仕組みです。差額の10万円は、いわば手数料というわけです。

 しかし裁判所は、この「給与ファクタリング」が貸金業法・出資法に違反する違法な貸し付けだと判断し、契約自体は無効で、かつ業者の行為は刑事罰の対象となるとの判断を下しました。金融庁も「給与ファクタリング」は違法なヤミ金融であって、家族や職場への取り立てといった被害に拡大する可能性があると指摘しています。

 新型コロナウイルス蔓延によって不景気が進み、失職や減給が増えると、目先の現金を求めて、ヤミ金、SNS金融、そして「給与ファクタリング」などの違法な金融業者に手を出してしまいがちです。彼らは、「即日現金化」とか「借金ではありません」などと言葉巧みに誘ってきます。

 その先に待っているのは、より悪化した生活苦や違法な取り立てによる強度のストレスでしかありません。本当に生活費に困ったら、まず社会福祉協議会の生活困窮者貸し付けや住宅補助を受けてください。もし「給与ファクタリング」を利用してしまったら、1円でも返済する前に直ちに弁護士に相談するのが賢明な方法です。

(髙橋裕樹/弁護士)

最終更新:5/24(日) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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