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故人の預金口座が凍結されて、葬儀費用を払えない? それを防ぐ「遺言代用信託」って?

5/24(日) 7:10配信

相続会議

相続を考えるにあたり、遺言書の作成を検討している人も少なくないでしょう。自分の意思を反映するのに遺言書は有効ですが、遺言書を作成せずとも、指定した人に遺産を引き継げる「遺言代用信託」という方法もあります。

信託で遺産の受取人を指定

遺言代用信託は図のような仕組みになります。被相続人が「委託者兼第一受益者」となり、自身が死亡した際に信託した財産を受け取る人を「第二受益者」として指定し、金融機関に金銭を信託します。すると、相続が発生した際に、信託銀行から相続人に財産が払い出される、という仕組みです。

相続が発生すると、相続人が遺産の分け方について話し合う遺産分割協議を行いますが、信託した財産は遺産分割協議の対象から外すことができます。そのため、遺言代用信託をした金銭については、被相続人が望むように、特定の人に確実に遺産を引き継ぐことができる、というわけです。

よく似た言葉で「遺言信託」という仕組みもありますが、これは遺言書の保管や遺言の執行までを金融機関に信託するもので、内容は大きく異なります。遺言代用信託は遺言信託より低コストで、手軽に利用できるのが特徴です。

遺留分の侵害はできない

ただし、すべて思いどおりに分配できるわけではありません。遺言代用信託で信託できる財産は金銭等に限られ、不動産や有価証券を信託することはできません。

また、配偶者、子、両親などには、最低限の相続財産を受け取れる「遺留分」があります。遺言代用信託においても、それを侵害することはできません。例えば、法定相続人が配偶者と子ども2人の場合、配偶者には遺産の4分の1、子どもには各自8分の1ずつの遺留分があります。

これを侵害すると、遺留分が請求され、トラブルになる可能性があります。遺留分を侵害するような遺言代用信託の設定は、実質的にはできないことになっています。

なお、遺言代用信託の場合も、相続税は普通に相続した場合と変わらず、節税効果はありません。

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最終更新:5/24(日) 7:10
相続会議

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