ここから本文です

命懸けで闘う医療従事者をめぐる日中の温度差【洞察☆中国】

5/24(日) 9:03配信

時事通信

 日中福祉プランニング代表・王 青

 新型コロナウイルスの感染が世界中に拡大している中で、日本でも各地医療施設で、院内感染が多発し、感染患者も増加しており、医療崩壊が間近と懸念されている。

【グラフ】新型コロナウイルス 世界各国の状況

 そのような状況下、医療現場で日々、懸命に奮闘している医療従事者への支援がある一方で、風評被害も生じており、その子どもに対するいじめや保育園への出入り禁止、本人への嫌がらせなどがあると報道されている。

 それに加えて、マスクや防護服などの医療必需品が不足し、レインコートやビニールで身を包む医療関係者の写真や映像に、ただただ驚いた。これは現代日本での出来事なのかと。

 ◆4.5万人が駆け付け

 一方、約3カ月前、コロナウイルスの「震源地」である中国・武漢も、医療現場は混乱の極みにあった。病院に殺到する患者と医療物資の不足のため、医療従事者はまるで「裸」でウイルスと闘い、次から次へと感染した。

 その後、中国全土から約4.5万人の医療チームが武漢へ支援に駆け付け、仮設病院や突貫工事で造られた簡易病院でウイルスと闘った。まさに戦時対応である。

 体力的に非常な重労働であり、精神的にはもっと負担が大きかった。

 支援医療チームの7割以上が女性看護師であり、その多くは母親である。命の危険と隣り合わせになりながら、家族と離れ離れになって、子どもにも会えない。

 SNSでは、医師や看護師の防護服姿の奮闘ぶりや、子どもとネットでの動画対面の様子が拡散され、人々の魂を揺さぶり、涙を誘った。全国各地から医療従事者への声援や激励の声が殺到した。

 医療現場へは、国の支援以外に、民間企業やボランティア団体が多方面にわたり、支援活動を行った。

 ◆「この国の英雄だ」

 いろいろな医療物資が続々と送り込まれた。地元武漢の飲食店の若き経営者らは、毎日無料のお弁当やコーヒーを病院に配達した。自家用車で医師や看護師の運転手役を務めた人も多かった。

 「われわれのできることはこれしかないが、少しでも力になれば」と語った。また、遠征している医療従事者の家に残っていた子どもや親への支援も行った。

 これらのさまざまな支援や激励の言葉が、どれほど医療従事者を勇気付け、心の支えとなったことか。「あなたたちを一人にしない。14億の人民がついているのだ」という声が広く響いた。

 3月中旬ごろ、中国の新型コロナウイルスの感染が徐々に収まり、それぞれの地元に戻ってきた医療従事者を国民が最大の歓迎ムードで迎えた。「お帰りなさい! お疲れさまでした! あなたたちはこの国の英雄だ!」「われわれの命を守ってくれて、ありがとう!」と、称賛の声が絶えなかった。

 「英雄」も生身の人間であり、国に尽くすが、自分の生活がある。武漢から戻って来た医療従事者に対して、さまざまな形の慰労と奨励は手厚かった。

 国が規定する特別手当のほか、地域によって金額が異なるが、奨励金として5万~20万元(75万~300万円)の現金が支給された。

1/2ページ

最終更新:5/24(日) 12:52
時事通信

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事