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鍵開けて入店「無人書店」が人気 座席で2千冊心ゆくまで、キャッシュレスで決済

5/24(日) 15:00配信

京都新聞

 客が自分で鍵を開けて入店し、キャッシュレスで購入、出品もできる書店「セルフブックス」が、昨年11月に大津市二本松の商業施設「ブランチ大津京」内にオープンして半年が過ぎた。登録者は600人を超え、本を買うだけではない、多様な体験ができる店として人気が広がっている。

 経営するのは、奈良市で無人書店「ふうせんかずら」を運営する平田幸一さん(59)。セルフブックスの利用は名前や住所、好きな本のジャンルなどを登録。解錠するためのIDを取得し、入店時に入力する。購入する場合はレジカウンターのタブレット端末で、クレジットカードやIC乗車券を使い、自身で精算する。
 棚には、京都と大阪の3人の書店主が選んだ2千冊以上の本が並ぶ。絵本や希少な古書などを多く扱い、店内の椅子に腰掛けて自由に読める。平田さんは「店主の個性や趣味が出るまちの書店の要素を出しながら、家族連れが集まるショッピングモールに合う本屋に」と話す。
 無人で防犯面が懸念されるが、開店以来、万引き被害には遭っていない。平田さんは「個人情報を登録するという面倒な作業をしてまで、ここに悪いことをしに来る人はいない。店員の目を気にせず立ち読みをして、ゆっくり過ごしてもらいたい」とほほ笑む。
 人気は貸し棚だ。店内の棚を有料(月額千円~)で貸し出し、利用者おすすめの本を販売してもらう。2月から貸し棚で出品する元書店員の女性(52)=京都市山科区=は「どんな人が買ってくれたのかと想像するのも楽しい。お客さんと顔は合わせないが、本を通してつながっていると感じる」と魅力を語る。
 さらに、体験イベントにも力を入れる。新型コロナウイルスの収束後は、近くの公園で、家族で本を販売したり、製本体験をしたりするイベントを予定。さらにオンラインで本の紹介などする会員制のイベントも企画中といい、平田さんは「本を買う以外に、本屋でできることを増やしていきたい」と話す。

最終更新:5/24(日) 16:33
京都新聞

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