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ハッラ・トーマスドッティル「アイスランド経済危機における女性の責務」

2015/6/5(金) 13:09配信

TED

Halla Tómasdóttir

翻訳

数年前まではアイスランドの 話をするのは簡単でした 人々はアイスランドについて何も知らず 私は単に良い面だけを 語ればよかったわけですから しかし ここ数年でアイスランドは 悪い意味で有名になってしまいました まず経済の崩壊が挙げられるでしょう 事実 これはかなり深刻で誰かが 国をネットオークションで売り出してしまった程です (笑) 値段は99ペンスから始まり 最低落札価格無しでした それから火山が噴火しました この噴火により飛行機がキャンセルされて みなさんやその友達、それにオバマ大統領の 旅程がめちゃくちゃになりました ところでこの火山の名前の発音ですが エイヤフィヤトラヨークトルです 正しく発音したメディアはありませんでした


(笑)


しかし私は これらの話を するために来た訳ではありません アイスランドを経済危機が襲う1年以上前の 2007年の春に この写真に写っている クリスティンと私で設立した 金融サービス会社である オイズルキャピタルの話をしに来たのです まず、なぜ投資銀行の法人部門で 成功を収めていた2人の女性が 辞職してまで金融サービス企業を 設立したのでしょうか? そうですね あふれかえっている テストステロン(男性ホルモン)に うんざりしたからとでも言っておきましょう しかし この経済危機や私の国での 出来事について 私は男性に 非があると言うつもりはありません しかし確実に言えることは ウォール街や ロンドンなどいたるところと同様に 私の国では 男性が 金融関連のゲームの舵を 握っているということです このような多様性の欠如と 画一性が 壊滅的な状況を引き起こすのです


(拍手)


我々は男性主導の世界にうんざりして そういった世界は持続性に欠けているという 強い感情を持つ結果になりました そして 女性の価値観を反映させた 金融サービスを始めようと決めたのです 女性の価値観を金融の世界にも 組み込もうと決めたのです これは アイスランド内で波紋を呼びました 我々は 当時アイスランド内で 典型的な「女性」として 認知されていませんでした まるで いきなりクローゼットから飛び出し 我々は女性独特の価値観や ビジネスモデルを持っており それらは 今までの男性主体のものより より持続的であるということを 語り出したようなものでした また 我々は人的資源に恵まれました 信念と技術を兼ね備えた人々 我々と同じ価値観と 先見性を持った投資家たちです こうして 我々やお客様の資産にも 損失を出すことなく アイスランドの 財政難を何とか切り抜けました 才能に恵まれた仲間たちに 感謝するとともに 最大の理由は 我々の価値観に従って 行動したことによる 幸運や タイミングの要素も絡んでしました


そこで我々の価値観を共有させてください 我々はリスクを考慮します それはどういうことでしょうか? つまり 背負うことになるリスクを常に理解し 理解の出来ないようなリスクに対しては 投資を行わないということです とても単純なことです しかし2007年には サブプライムと複雑な財政構造が 頂点に達して そして無謀ともいえる 危険性を顧みない態度と 反対であることを 目撃することになりました 我々はシンプルな言葉で 誰でもが理解でき 利益を上げるだけでなく 危険性についても 正直に 包み隠さず話すことを徹底しています これには誰も聞きたがらないような 例えば財政難が襲う前のアイスランドの 財政状況の継続性に対して 我々が持っていた不信感さえも ありのままに 情報提供する と言うことです 我々は数字がすべてを支配する 金融業界で働いていますが 人間の感情を尊重します そして感情に基づいて行動することは 金融の仕事において期限内に 仕事を終わらせることと 同じほど重要なのです 事実 利益を生み出したり 損失を作り出すのは 表計算ソフトではなく 人間なのです


(拍手)


最後にですが 我々は信念を持っています 利益の生み出し方にも注意を払います 企業側と顧客側の双方への利益を考えつつ 長期的な視点で運用をすることにしています 次の四半期の経済的利益より 広い意味での利益を生み出したいと考えています つまり投資の際には 社会や環境へのプラスの 影響力の獲得を目指しています


これの重要性は認識されていますが これは単なる価値観の問題だけではなく ビジネスチャンスでもあったのです この女性の価値観の重視と 持続可能性(サステナビリティ)の傾向は その数年後に人々の注目をあびる ビジネスチャンスを生み出すことになりました 女性価値観の重視というのは単に 女性が男性よりも勝っているということではなく 女性と男性の差異が 意思決定の場で異なる 価値観 方向性を見出すということです 何が得られるか? より良い意思決定です 横並びの行動の抑制にもつながります これら2つが損益計算書に プラスの効果をもたらすのです


しかし不思議に思う方もいらっしゃるでしょう アイスランドの経済崩壊や ヨーロッパの経済も今は芳しくない状態ですし 多くの方は アメリカは更なる危機へ 向かっていると思っているしょう こういった出来事を経験し 意思決定においては 多様性が重要であると 証明するデータが揃った今 ビジネスとファイナンスは変わるでしょうか? 政府は変わるでしょうか?


私の率直な気持ちを話します 希望を持つ日もあれば 疑念を抱く日もあります 我々の荒廃したこのビジネス再建に対する 衝動を感じたことがありますか? (拍手) アインシュタインは狂気を 以下のように定義していました 同じことを何度も何度も 繰り返しながらも 異なる結果を期待することだと つまり世界は狂っているようです 今回こそは失敗しないだろうと期待し 同じことを何度も何度も繰り返す作業を 行っているからです もっと革新的な考えに出会いたいものです 私はまだ望みを捨てていません TEDのように人々を信じています 消費者はこれに気づくようになり 内側から構造変化が見られないなら 消費者行動という手段で訴えかけるようになり ビジネスと財政の様相を 外側から変えて行くことに なるでしょう


私は革命論支持者です アイスランド国民として そうあるべきだからです 我々はバイキングの時代から 力強く 勇敢で 独立した女性の 長い歴史を受け継いできました 私が経済と社会での 女性の重要性を 始めて 認識したのは7歳の頃でした 偶然にも母の誕生日で 1975年10月24日でした アイスランド中の女性がお休みを取り 仕事も家事もしませんでした アイスランドは機能停止になりました (笑) 女性たちが社会平等を掲げ レイキャビーク中心地でデモを起こしたのです これが国際的な女性運動の始まりという方もいます 私にとっては長い旅の始まりでしたが この日は重要だと感じました 5年後には シングルマザーであり 片方の 乳房を失った乳がん経験者である アイスランドでは初となる 女性大統領ヴィグディス フィンボガドゥティルが当選を果たしました 選挙活動期間中に とある男性候補者は彼女を「女性かつ 不完全な女性」であるとして 大統領にはなれないとほのめかしていました 彼女が当選したその夜 彼女は戻ってきました 彼の暴言のせいではありませんよ そして言いました 「私はアイスランド国民に授乳をするつもりはありません 私はアイスランドを指導するのです」


(拍手)


つまり今日の私を作り上げるに 多大な影響力をもたらした 多くのお手本となる女性の存在がありました にもかかわらず 実際は 私のキャリアの最初の10-15年は 女性であることを否定していました アメリカで仕事を始めた際に 女性も男性も同等の機会を 与えられており 単に個人の 問題であると痛切に感じていました しかし 今日ではそうではないという 結論に至っています 男と女は同じではありません この差異のおかげで我々は生命を作り 持続できるのです 素晴らしいことです 我々はこの差異を尊重し挑戦するべきなのです


最後に皆さんにお話したい考えとは 私は世間に蔓延している 男性か女性かのどちらかを選ぶという 構図にうんざりしているのです 調和する美しさを尊重する必要があります そこでここに存在している ビジネスや慈善活動を離れ よいビジネスすることを 考えていきましょう これが持続可能な未来をつくり世界を変える方法です


ご静聴ありがとうございました


(拍手)


ハッラ・トマスドティヤーは5つの女性的な価値観をフィナンシャルサービス業に適応することで彼女の会社オイズルキャピタルと共にアイスランド経済危機を切り抜けました。TEDWomanにて彼女がこれらの価値観と均衡の重要性についてお話します。 ( translated by Takahiro Shimpo , reviewed by Masayo Maeda )

動画撮影日:2010/12/8(水) 0:00
TED