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ジョディ・ウィリアムズ: 世界平和の現実的なビジョン

2016/7/22(金) 11:51配信

TED

Jody Williams

翻訳

ここで話をするのは ある挑戦に応じてほしいからです 今まで 多くの挑戦がされてきました 私からの挑戦は 平和が実際に何を意味するのか 定義し直すことです 平和は 歌を歌って願うものではありません 平和は愛らしく描かれるハトや 虹でもありません 虹やハトを見たときに 私が連想するのは 心の平静であったり 瞑想です 私が平和だと思うものは 連想しません 私にとって平和とは 正義や平等が存在し 持続可能な平和です 世界中で 大多数の人が尊厳のある生活を送れるように 十分な資源を 手に入れられる 持続可能な平和です 教育や医療を 十分に得られる場所に いることができれば 貧困や恐れを感じずに 暮らすことができます つまり 人間の安全保障です 私は徹底した平和主義者ではありません 友人のマイレッド・マグワイアは とても真剣な 反戦主義者です 人間っていうのは 本当に狂ってます 言葉づかいに気をつけるって 母と約束したので 汚い言葉は使いません 本当に気をつけてるのよ 母さん わかってね


最低限の警察や 軍隊は必要ですが 防衛のために必要なのです 私たちをこの世界で 安全にするものは何か 再定義する必要があります 自国を 完全武装することではありません わが国が生産し 売りさばく武器で 他国を 完全武装させることでもありません その資金を より合理的に使って 世界の国々や人々を 安全にすることです 議会で進行中の 議題に関して 私は考えていました オバマ政権は 新戦略兵器削減条約の批准に 84億ドルを充てるとしています 新戦略兵器削減条約は 賛成できますが 大統領は840億ドルを 核兵器の近代化に 充てようとしているのです 国連のミレニアム開発目標を 実現させるための費用は 800億ドルだと知っていますか? それっぽっちなんです 私の口座にあればいいのに とは思いますが… 世界的に見れば それっぽっちという意味です でも そのお金で 要らない兵器を発展させ さらに 後世に残すことになります ただし私たちが 実現のために行動を起こすなら別です ここ二日間で聞いた すべての事柄が 人間の安全保障を 築くための要素であると 信じ始めるなら別です トラを守ることであり オイルサンドを止めることであり 癌を発見できるように 医療機器を 利用できる環境にいられることです このような事柄すべてです このような事柄に資金を使うことであり 行動を起こすことです


数週間前に 私は広島にいました ダライラマも含め ノーベル賞受賞者8人が 何千人もの人の前に座っていました ダライラマはいたずらっ子のようでした 話をする順番を待ちながら皆を見ていたとき 身を傾けて言いました “私は仏教僧なんです” 私は こう答えました “袈裟を見ればわかります” (会場:笑い声) 彼はこう言いました “私は瞑想が好きだし お祈りもします” 私は答えました “良いことですね 皆にとって大切なことです 私はしませんが 素晴らしいことです” すると彼は言いました “でも疑いを抱くようになりました 瞑想をしてもお祈りをしても 世界を変えることはないと 思うのです 私たちに必要なのは 行動だと思います” 袈裟を身にまとうダライラマは 私にとってアクションヒーローになりました


アウンサンスーチーと 数日前に話をしました ご存じのように彼女は ビルマの民主化のヒーローです 民主化運動が原因で 彼女が過去20年間のうち 15年間 軟禁されたことも ご存じでしょう 彼女は数週間前に釈放されたばかりで どれだけ自由の身でいられるのか私たちは心配でした 彼女は既にヤンゴンで 変化を求める運動をしているからです 国の再建をしようと 支持者と共に 既に運動をしています 私は様々な問題について 彼女と話をしました ダライラマの言葉と 共通している事を彼女は言いました “ビルマでは民主化実現への 道のりが長いけれど 望みを叶えるには 努力が必要なのです 変化をもたらすには 行動を起こさなければ 実現できません”


私にとってヒーローであり 友人の シリン・エバディ博士は ノーベル平和賞を受賞した 最初のムスリム女性です 彼女は過去1年半に渡って 異郷で暮らしています 住まいはどうしているのかと尋ねると 世界中の空港だと言います 彼女が旅をしているのは選挙のときに 国外にいたからです 国に戻る代わりに 共に活動する女性たちと話し合いました 彼らは彼女に国に戻るなと言ったのです 国外にいることで 自国の状況を海外へ 伝えやすくするためです 1年半もの間 彼女はイランにいる 女性に代わって 活動しています


ワンガリ・マタイは 2004年にノーベル平和賞を受賞 木の女性と呼ばれていますが それ以上の功績があります 平和への活動は 非常に創造的で 重労働の日々です 彼女が植樹をしていたとき ほとんどの人が 気づかなかったと思いますが 皆で植樹をする中で 彼女は独裁主義的な国を どうやって克服するのか 話す機会にしていました 人々が集まるのは 通常ならば投獄されてしまいますが 環境のために植樹をするという名目であれば 大丈夫だったのです 創造性です でも皆から尊敬されている シリンやアウンサンスーチーや ワンガリのような女性だけではなく 世界には 世の中を変えるために 努力をしている 女性たちがいます


ビルマ人女性で構成される 11の組織が力を強めるために ビルマ女性連盟を結成しました 共に活動することで 世界が変わります 百万人署名キャンペーンに参加している ビルマにいる女性は 人権のため 民主化のために 活動しています ある人が投獄されれば 別の人が その運動に加わっていきます 共に活動すれば いつかその国に 変化をもたらせると わかっているからです


中央にいるマイレッドと 右側のベティは 北アイルランドに平和をもたらしています ある話をしましょう IRAの運転手が撃たれ 運転していた車が 歩行者に突っ込みました 母と子ども3人のうち 子どもが現場で亡くなりました その母はマイレッドの妹でした この暴力的な出来事で 悲しんだり 落ち込んだり くじけたりせず 彼女はベティと 共に行動しました 敬虔なプロテスタントとカトリックの2人は 民衆の前で “暴力はもうたくさんだ” と訴えました 何万人もの女性と 彼らに賛同した男性が集結し 変化をもたらす運動をしたのです 彼らは北アイルランドに 平和をもたらす役目を果たし 課題が残っているため 活動は今も続いています


リゴベルタ・メンチュウも ノーベル平和賞を受賞しました 彼女は今 大統領選挙に出馬しています また グアテマラの先住民に 民主化の意味や 民主化の実現方法や 投票の仕方について 教育しています でも民主化は投票だけではなく 活動的市民になることです


それは私が地雷キャンペーンに 関わり続けた理由です 二つのNGOを世界90ヶ国にわたって 何千もの数に増やしたことが このキャンペーンが成功した 理由の一つです 地雷撲滅という共通の目的をもち 共に活動しました キャンペーンの参加者には 忙しい人もいて 少しだけ参加する人や 私のように 常に活動した人もいましたが 皆が活動したことによって 変えることができたのです


今 私たちに必要なのは 人々が立ち上がり 行動を取って 平和の意味を再定義することです 悪いことではありません 毎日頑張ってやるのです もし 大切な物事を 気にかける一人ひとりが 重い腰を上げて 出来る限り ボランティアをすれば 世界を変え 世界を救うでしょう 他人任せではだめなのです


ありがとう


(拍手)


ノーベル平和賞を受賞したジョディ・ウィリアムズが世界平和の夢を実現させるために厳しい意見を述べます。「平和」が実際に何を意味するのかという彼女の鋭い見解と共に、世界平和に向けて活動する人々の創造的な努力と犠牲にまつわる情熱あふれた話を紹介します。 ( translated by Takako Sato , reviewed by HIROKO ITO )

動画撮影日:2010/12/8(水) 0:00
TED

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