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ビル・ゲイツ:教育制度を破壊している米国における州予算

5/15(月) 16:16配信

TED

Bill Gates

翻訳

これは州予算の話です おそらく朝の講演の中で一番退屈な トピックだろうと思います でもみなさんに言いたいのは これは重要な 私たちが関心を持つべき課題だということです 州予算は 莫大です 後で数字をお見せします しかもほとんど監査を受けません ほとんど理解されておらず 関係者の多くが考えているのは 特定の目的や短期的利益で そのような傾向が 引き起こす影響を考えていません しかしこれらの予算は 私たちの将来の鍵です 子供達にとって重要なのです 教育資金のほとんどが― 幼稚園から小六までであろうと 名門大学や地域の短期大学であろうと これらの資金のほとんどが 州予算からきています


でも問題があります これが全体的な図です アメリカ経済は莫大で 14.7兆ドルです この総額のうち 36%が政府の支出です これは一番大きい連邦レベルの支出を 州と地方行政の支出と 合わせたものです このように合計してみて初めて 全体で何が起こっているか分かります メディケイドや研究費のような 複雑な資金が これらのレベルの間で行き来するからです でもとにかく支出は36%です では収入はどうなっているのか? 経営における基本的質問です 答えは26%です ということは10%の赤字です ショッキングな数字です 確かにこれらの一部は 経済不況があったからと言えます 収入が減り 支出の増えるプログラムもでてきます でも大部分は経済不況のせいではありません ほとんどが 負債が増えていることと 全体的な傾向のせいです これは大きな問題となっています 実際 これが見通しのグラフです いろいろな要素があり 収入を増加したらどうかとか 医学革新の支出がもっと増えるだろうなどが言えますが 今後もっと難しくなります たとえ経済状況が実際より 良くなると想定したとしても難しいでしょう これが全体的に 見た時の図なのです


ではどうしてこうなったのか? どうしてこのような問題が生じたのか? こうは言っても 少なくとも理論上では 州予算は均衡していることになっています 予算を均衡化しなくてもよいとしている州は たった1州です でもこれが実際に意味するのは 見せかけがあるということです 本当の意味での均衡化は行われていません これを隠すために行政が行っていることが 実際に状況と不明瞭なものとしていて 本当は単純な問題でも 人々にはそう見えなくしていると言えます ジェリー・ブラウンが州知事になった時 これが彼にとっての問題でした つまりいろいろなカラクリなどのせいで 均衡予算のはずなのに 予算案の支出760億ドルのうち 250億ドルが足りない状態だったのです そこで彼は考えました このうち半分は削減して あとの半分は 複雑な手順かもしれないが 税金で賄えるだろう でもたとえそうでも 今後 何年も先には 様々な年金や 健康保険の費用が極限に達し 一方で収入の増加が十分でなくなります 結果大きな無理が生じます


どうしてこれが発覚しなかったのか? 巧みな裏操作によるごまかしです いくらかは発覚しました 新聞が「実際に均衡ではない」 「穴がある」 「赤字財政が存続する」 「裏操作だらけだ」と指摘しました よく考えてみたら エンロンの重役達でもこんなことはしなかったでしょう いかにも見え透いていて 極端です 政治家たちがしている このようなことに注目する人はいないのか? いけないはずなのに手口を見つけて 借金をする キャッシュフローのやり繰りのためだけに 余分に税金控除をする 資産を売り払う 支払いを先延ばしにする タバコからの収入を売り払う カリフォルニアだけではありません 5州ほどこれよりヒドイ州が実際にあり このような大きな問題がないのは 事実たったの4州だけです ですから国全体の問題なのです 根本的にこれは 特定の長期債務から生じていて 革新をしようとすると一層費用のかかる医療制度や 年齢構造のせいで難しくなる早期退職や年金や ただ単にこのような会計操作が 長い年月の間増えていくのを 寛容していることで 問題になるのです これは退職者用の健康保険補助です 300万ドルの資金に対して620億ドルの債務です 自動車会社よりもっと厳しい状況です 誰もがこれを見て これが大きな問題になると分かっていました 見通しでは医療費だけでも 予算の26%から 42%になるとされています


では何が削減されるのか? これに対応するには 教育費を半分に削減しなくてはなりません ある意味では 「若者」対「老人」と言えます この収入状況が変わらなければ 医療制度でしていることを解決しなければ 若者たちへの投資を止めることになります 素晴らしいカリフォルニア大学のシステムも これまで続いてきた素晴らしいことも なくなります これまでは教員の解雇や クラス人数の増加でした 教育界では「若手の教員だけを切るべきか それとも あまり優秀でない教員を切るべきか?」 という議論がありました また「クラス人数を増やすと言ってもどこで増やすのか? どのくらいの影響が出るのか?」という議論もあります 困ったことに こうなると人々は混乱して 「それでいいと思うかも」と思うのです それどころか教育費は削減されるべきでないのです 一時的でも影響を最小限に 抑える方法はありますが それでも問題です 今後の方向性でも大きな問題です 技術にはその役割がありますが 実験を行い そのようなツールの利用を 可能にするには資金が必要です 有能な教員の給料を増やし 効果を測定しフィードバックを与え 教室内の録画しようという案があります これは非常に大事なことだと思います ではそのような仕組みに 予算を配分しなくてはいけません 効果に対する奨励金にもです 成長が見られる分野には 新しく投資するものです たとえ成長がなくても投資することもあります でも議論されている予算削減では 優秀な教員に報酬を与えたり 新しい形の技術を 利用する体制をとるのは はるかに難しくなります


どうなってしまっているのか? 間違った考えをしている 顧問団はどこだ? 実は顧問団などありません (笑い) 強いて言えば有権者である私たちが口を出すことです ちょっとこの支出を見てください カリフォルニア州が使うのは1000億ドル以上 マイクロソフトは380億ドル グーグルは190億ドルです グーグルとマイクロソフトの両者では アナリストやさまざまな人の意見をかわし 「あの予算の使い方は良かったのか?」 「これは全く無駄遣い これは?」などと 社内外で徹底した数値分析があり 関わるIQの量は全く驚異的です 誰もが意見を持っています 有益な評価が得られるのです そして数字をもとに判断が下されます 教育費や医療費を見てみると 長期的傾向として特に このような関与がないと分かります 資本として学習として もっと重要な数字なのにです


では何をしなくてはならないのか? もっとふさわしいツールが必要です インターネットにいくつかあります 私も自分のウェブサイトに情報を載せて 基本的な状況が分かるようにするつもりです これだけでは足りません 何冊か参考になる本もあります 1つは学校の支出と財源についてで これまでどう変化しているか 課題は何かについて述べています もっときちんとした会計も必要です 現在の給料や雇用に関する将来の負債は 現在の予算から賄われるべきだという 事実を考慮する必要があります なぜ年金会計がこのように行われたのか 理解する必要があります 民間企業の会計のようにすべきです 最高の基準ですから 最後に政治家にちゃんとした見返りを与える必要があります 政治家が長期的問題があると指摘するたび 「悲観的見解を持ち出す政治家の 支持はできない」などと言っていてはダメです 実際そのようなことが起きています アースカン・ボールズやアラン・シンプソンらが この全体的な連邦の医療費支出における 州レベルの問題を見直していくつかの案を出しました でも実際 これらの案はもみ消されました それどころか翌週には 減税が行われ 推定されていた状況より 一層ひどくなりました ですからこのようなことが必要なのです


私はこれは解決可能な問題だと思っています アメリカは沢山の人がいる素晴らしい国です でも人々に参加してもらわなくてはなりません これは人々の教育問題だからです カリフォルニア大学の授業料がどうなったか これだけを見ても分かります このまま3年 4年 5年といったら 払える額ではなくなります このようなことが― 若者に投資することが 素晴らしい社会を作り 貢献を可能にします 芸術に取り組んだり バイオテクノロジーやソフトウェアや 素晴らしいものすべてを可能にするのです ですから結局何が必要かと言うと 州予算に関心を持つことなのです 子供達と私たちの将来に関わってくるからです


ありがとう


(拍手)


米国の教育制度は50州の予算によって賄われています。いたるところにある会計の裏操作のせいで医療費や年金の本当のコストが分かりにくくなっていて、また、増え続ける債務の問題のせいで教育費の予算が危うくなっていると、ビル・ゲイツが熱弁をふるいます。 ( translated by Sawa Horibe , reviewed by Hidetoshi Yamauchi )

動画撮影日:2011/3/3(木) 0:00
TED