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エリカ・グレゴリー: 世界には核兵器はもういらない

7/12(水) 10:23配信

TED

Erika Gregory

翻訳

皆さんに一つお聞きしましょう どれくらいの兵器級核物質を使ったら サンフランシスコを 完全に破壊する事ができるでしょう? みなさんの中で その量はこの スーツケース位だと思う人はいますか? OK. それでは このミニバス位だと思う人は?


判りました 実は条件さえ整えば 皆さんの朝のラテ位の 高濃縮ウラ二ウムがあれば 十万人を殺すには十分なのです それも一瞬で 数十万人の人が 重度の放射線障害を受け 恐らく都市の一部が 数十年ではないとしても 何年もの間 住めなくなるでしょう


しかしその核兵器ラテよりも恐ろしいのは 現代の核兵器は 広島と長崎に落とされた爆弾の 数百倍の威力を持っていることです 例え限定的な核戦争で 数十の核兵器を使ったとしても それだけで地球上の全ての生命の終焉に 繋がる可能性があります


だからこそ皆さんが知るべき事は たった9カ国の手中に 15000以上の核兵器が集中している事です あなたが街の中か 軍事施設の近くに住んでいれば 恐らくあなたに兵器が向いているでしょう または核兵器が保存されている 農村地域に住んでいれば 恐らくあなたにも兵器が向いているでしょう 今凡そ1800の兵器が待機し 大統領命令の15分以内に 発射可能です


それでは皆さんも 少し落ち込むでしょうし さっき聞いた ―なんでしたっけ?― 精神的疲労を お持ちの方もいるでしょう だからこれからちょっとギアチェンジをして 想像上の友達である ジャズミンの事をちょっとだけ お話したいと思います


ジャズミンは25歳で 今までの50年で見たことがないレベルで 政治的、社会的活動にかかわる 世代の一員です 彼女と彼女の友達は自分を 変化のエージェントや指導者 活動家と思っています 私は彼女達を「可能世代」と呼びます 自分達が重要視する問題には しっかりと抗議しますが 核兵器はそこに含まれません 考えてみればそのはずです ジャズミンは1991年 つまり冷戦のあとに生まれたからです だから成長している間に 核兵器の事をあまり聞かなかったし 学校で机の下に 避難訓練しなくてもよかったのです ジャズミンにとって「落下避難所」は アンドロイドのアプリでしかありません 核兵器はゲームに勝つのに役立つだけ 残念な事です 何故なら「可能世代」の力は 核兵器について重要な決断をする為に 必要だからです


例えばこれから世界的に核兵器を減らすか または何十億 いや 1兆ドルを使って 新型化を続けて 21世紀の間保持し続けて 私ぐらいの歳になったジャズミンが 自分の子供に または自分の孫に 核ホロコーストの危険を 教えるのが良いのか? その上あなたが サイバー脅威も気にしていて 例えばStuxnetウイルスの 話を読んだことや 電子メール、Yahooアカウントや電話を 一度でも ハッキングされたことがあれば サイバー戦争の時代に 近代化された核兵器が 世界に対するまったく新しいダメージの 引き金となりうるか想像できるでしょう


さてお金の事を気にしてるのなら 1兆ドルもあれば たくさんの人を養い 教育し 雇用することができ それらはすべて 核戦争の確率を下げることになります だから―


(拍手)


これは今本当に重要です 何故なら核兵器は 脆弱なものだからです テロリストが核兵器を 手に入れようとしているという証拠を 私達は持っています つい昨春 定年退職者4人とタクシー運転手2人が ジョージア共和国で 核物質を2億ドルで売ろうとしているところを 逮捕されました 彼らはこの様な物の闇市場が 暗躍していると証明しました これが大事な理由は 核兵器が関わる事故が今まで 数十もあったというのに 恐らく我々はそのほとんどを 聞いたことも無いからです


ここアメリカでも 南北キャロライナ2州には2回 原子爆弾を落としています 一回は原子爆弾が 空軍機から落ちましたが 幸いにも 核心の部分が飛行機の別の場所に 保管してあったので爆発しませんでした もう一度は 兵器が地面に落ちた時に起端した上 爆発を防ぐスイッチが5つも 誤動作しました 幸いな事に6つ目は無事でした それでも皆さんの注意を ひけないとしたら 1995年のブラックブラント事件があります ロシアのレーダー技術者が アメリカの核ミサイルと思われた物が ロシア空域に向かっているのを 検知したのです 後に これはノルウェーのロケットが オーロラのデータを集めていたのだと 判明しました しかしその時 ロシアの大統領ボリス・エリツィンが アメリカに対して あと5分で 報復核攻撃を開始する所でした


だから世界の核兵器保有国の大部分は 核兵器を廃絶すると約束しています しかしこのことを考えて下さい 核兵器の非拡散条約は 歴史上もっとも広く批准されてる 軍備管理条約で 190の加盟国があるのに いつまでに加盟国が核兵器を 廃棄しなければならないのか 期限を決めていないのです


ケネデイ大統領が人間を月に送って 地上に帰還させた時 彼は「やりたい時にやりなさい」 とは言いませんでした 彼は期限を設定しました 彼が定めた挑戦は その数年前なら信じられないことでした そしてその挑戦は 科学者やマーケティング担当者 宇宙飛行士や学校の教師を動かしたのです 彼は我々に目標を与えました でもその目標とともに 彼は我々に― そしてこれはほとんどの人が知りませんが 協力者として 冷戦での最大の敵ソヴィエト連邦と 組もうとしたのです なぜならケネディのアポロ計画の夢は ソ連と対決するのではなく 協力することも含んでいました そしてソ連のニキータ・フルシチョフも これに賛成したようです しかしその協力が実現できる前に ケネディが暗殺されて 夢のその部分は延期されてしまいました


しかしこの二つの核超大国間の 共同の技術革新に対する約束は 完全には消えませんでした なぜなら1991年 ジャズミンが生まれ ソヴィエト連邦が崩壊した年に 2国は 今考えてみれば 文字通り 想像もできないような計画を 立て始めました アメリカがロシアに 当時もっとも必要だった資金を提供して 管理漏れしそうな核物質を 安全に確保し 失職したロシアの核科学者を 雇用できるようにするのです 彼らはアメリカの科学者と共に 兵器用ウラニウムを 原子燃料に転換するために働きました それは「メガトンをメガワットに」 と呼ばれました その結果 次の20年以上 アメリカの電球の10個に1個は ロシアの元核弾頭によって灯される という二国間プログラムが 実施されました


二国は力を合わせて 本当に大胆なことをやりました でも幸いなことに世界の国々は今 同じように大胆なことができるのです 核兵器を廃止し それを生産するための材料の 供給を止めること 30年掛かるという専門家もいます ある種のルネサンスが必要です 良きにつけ悪しきにつけ 核兵器を生み出した マンハッタンプロジェクトや 「メガトンをメガワット」計画の 基盤となったような 革新です 設計上の制約も必要です これは創造性にとっての基盤です 国際協力の基本になるもの― 強制機構の意味を持つ最終期限 そして行動を促す視点 2045年までかかります


実は2045年は核兵器が ニューメキシコ州で生まれた 100周年なんです しかし他の理由でも大事な日です 特異点出現の日すなわち 人類歴史上の新しい瞬間になるとも とも予測されているんです 人工知性と人間の知性の境界がぼやけ 計算機処理と 意識の区別ができなくなり 発達した技術が 21世紀最大の問題を解決する― 飢餓、エネルギー、貧困などを解決し 物が豊富な時代へと 水先案内をするのです みなが宇宙に行くことができ 人類は多惑星種となるのです


でもその夢を一番信じている人達ですら どうやってそこにたどり着くか まだ分からないと言います でもその夢の背後にある価値 そして「どうやって?」と問う意欲が 一世代にわたる革新者たちに 影響を与えました 共同設計について 創造的な問題解決の方法を使用し 自分の欲する未来から遡ります 様々な障害を打ち破り 我々が何を可能と思うかも 再定義しています


でも最大の問題はこれです 潤沢の時代という夢と 20世紀の理論 「相互確証破壊」は 相容れないものです 22世紀の基礎を 打ち立てる事でなければなりません 「相互確証された繁栄」 のための戦略か せめて 「相互確証された生存」 でなければなりません


今私は 核の脅威を解決しようとする 真の先駆者たちと 毎日会います 見れば分かるように その多くは若い女性で すさまじく興味深いことを やっています 例えばこちらのマリーナ・ロビンソン・ スノーデンは新たな より優れた方法で 核弾頭を検知する方法を開発しており 国際軍縮の前に横たわる重大なハードルを 克服するのに役立つでしょう メリッサ・ハナムは 衛星画像を使って 遠隔の核サイトで何が起こっているか 分析しようとしています そしてヨーロッパに居る ビアトリス・フィーンは 核兵器が違法になるように 国際法廷で 努力していて つい先週UNで大きな勝利を勝ち取りました


(拍手)


それでも それでも アポロのような壮大な挑戦が 話題になるこの文化においても 「可能世代」と彼らを指導する人の中に 核兵器と戦う人はほとんどいません まるでタブーがあるようです 私はケネディの言った事で 忘れられないことがあります そしてそれは確か 人間は自分の問題の解決策と 同じレベルまで大きくなれる という意味でした 彼は 人類の行く手にある問題で 人類の解決できないものは無い と言いました 私もそれを信じます みなさんの内にも それを信じる方が多いと思います 「可能世代」も それを信じると思います


だから核兵器廃絶に期限を決めて 関わるべき時です 核兵器の章を その生誕100周年に終わらせましょう 何故なら2045年までに 何十億の人が核兵器による地球全滅の 脅威により人質になるからです 100年で十分です 1世紀間の経済発展と 軍事戦略の進展があれば 世界の紛争をより良い方法で 収めることができるはずです 人類の壮大な課題として 支援するべきものがあるとすれば これこそです


さて現実の脅威を前にして― 例えば 制裁にもかかわらず 最近も北朝鮮は核実験をしていますが 武力侵略を抑止するために ある程度の核兵器を保持すべきかどうか 合理的な人たちの間での 合意が見られません マジックナンバーを決めることが問題なのです 1000ですか? 100ですか?10? そしてこれも問題です 誰がそれらを管理するのでしょう? 15000基もあったら ジャズミンの世代に対しては 希望よりも脅威である点は 皆が同意できると思います


我々の想像力に対して 核による締め付けから 解き放たれた世界を作ろうと 誓いを立てる時です 我々が希求する未来から 遡って作り出した 創造的な解決策に投資するのです 過去の思考モデルや偏見にあふれた 現在から 重い足取りで将来に進むのは止めましょう 各方面の多様なリーダーである 我々の資源をどう使うか約束しましょう この古い問題を新しい方法で解決するため 「どのように?」と問うための資源です どうやってこのような約束― ジャズミンの世代に対して より良い安全を提供するという 約束を守れるでしょうか? 皆さんに参加していただくことを 心から願っています


ありがとう


(拍手)


ありがとう


(拍手)


現在9ヶ国に15000以上の核兵器、それぞれ広島や長崎に使われたものの数百倍の威力を持つ爆弾、が管理されています。もう核兵器はいりません。軍縮は数十年前に始まったものの未完成の課題であり、これに直面するためには、新しい世代が必要です。 核改革派のエリカ・グレゴリーは、冷戦の恐怖や「頭を机の下に隠す」訓練を受けない時代に生まれたこれからの指導者たちに、野心的な目標を目指そうと訴えます。すなわち2045年までに核兵器を世界から廃絶するという目標です。 ( translated by Kyle Walters , reviewed by Masaki Yanagishita )

動画撮影日:2016/10/28(金) 0:00
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