ここから本文です

ケイト・アダムス: メロドラマが教えてくれる4つの大げさな人生訓

7/17(月) 10:52配信

TED

Kate Adams

翻訳

1987年 ティナ・ロードは 気づくと修羅場に陥っていました 玉の輿狙いの彼女は 心優しいコード・ロバーツが 莫大な遺産を相続する直前に結婚 でもコードは ティナが彼自身と彼の財産の 両方が好きなのだと気づき ティナを捨てます コードの母 マリアは大喜びするも 2人はよりを戻してしまいます マリアはマックス・ホールデンを雇って ティナに言い寄らせ コードに妻が我が子を身ごもっていると 勘付かれないよう手を回します 夫に愛されていないと考えたティナは 人妻でありながら マックスと一緒に アルゼンチンに駆け落ち コードはついに 事の次第を知り 慌てて追いかけますが 時 すでに遅し ティナはすでに誘拐され いかだに縛られて 滝の上 赤ん坊共々 死んだと思われました コードは悲しみますが ― 一瞬ですけど すっかり立ち直ります ケイトという頭脳明晰な考古学者に 乗り換えたのです 2人は豪華な結婚式を挙げるも どうやら生き返ったらしいティナが 赤ん坊を抱いて教会に乱入 「待って!」と叫ぶティナ 「もう手遅れなの? やっと たどり着いたのに ほら あなたの息子よ」


そして皆様 これがメロドラマ 『ワン・ライフ・トゥ・リブ』の 25年続いたラブストーリーです


(笑)


さて メロドラマを ご覧になったことがあるなら 時にストーリーやキャラが実際より 大げさに描かれるのをご存知でしょう ファンの方々にとって このような誇張は楽しめますが ファンでない方々は いかにもメロドラマっぽくて 品がないと思うかもしれません メロドラマを見るなんて 時間の無駄で 大げさなドラマから学ぶことなんて ほとんどないと思うかもしれません でも私は 逆こそ真だと思います メロドラマは人生を反映しています ただ大げさにしただけなんです つまりメロドラマから学べる 実生活への教訓があり そしてそれらの教訓は メロドラマのストーリー同様 壮大で冒険に満ちています


さて 私は小学2年生の時 『ジェネラル・ホスピタル』最大の山場― ルークとローラの結婚式の結末を どうしても見たくて バス停から走って帰った頃からの メロドラマファンです


(拍手)


ですから皆さん 想像つきますよね 『アズ・ザ・ワールド・ターンズ』の キャスティング・ディレクター補佐としての 8年間はもう最高でした 私の仕事はメロドラマを見て メロドラマの台本を読み メロドラマに出る俳優を オーディションすることでした つまり私 筋金入りなんです


(笑)


そして 確かにメロドラマは 実生活より大げさで 壮大すぎるドラマです でも実生活は時にドラマと 同じくらい波乱万丈で 同じくらいハラハラするものです 私たちが嘆いたり大喜びしたりを 繰り返すのは ドラマの登場人物とまるで同じです 未知の世界に飛び込み 悪魔と戦い 思いがけない救いに出会う ― それを何度も何度も繰り返します でもメロドラマと同様 筋書きを変えることは可能です つまり登場人物から 学ぶことができるんです まるでハチのように 弧を描いたり 道を逸れたりして 生涯を過ごす 彼らからです そして私たちはこれらの教訓を生かして 自分らしい人生を歩むこともできます メロドラマは私たちに 疑念を振り払い 自分の能力を信頼するようにと 教えてくれます 勇敢さや 弱さを受け入れる力 適応力や打たれ強さといったものです そして最も重要なことですが 人生を変えるのに 遅すぎることはないと教えてくれます


というわけで 始めます メロドラマの教え その1 「降伏という文字は辞書にナイ」


(笑)


『オール・マイ・チルドレン』のエリカ・ケインは 昼ドラ版 スカーレット・オハラ 度を超えた自惚れ屋のお姫様で 根はけんか好きで向こう見ず さて 41年間の放映中でおそらく エリカの最も有名なシーンはコレ 森の中に一人きりでいると 突然 巨大なクマと対面 エリカはクマに向かって 「こんなこと許さないわよ! あなた分かってるの? 来るなって言ってるの! 私はエリカ・ケインよ きったない獣の分際で!」


(笑)


そして当然 熊は立ち去りました このことが教えてくれるのは 障害物はあって当然で そこで私たちは屈服するか 立ち向かい戦うか 選べることです


パンドラ社のティム・ウェスターグレンは これをよく分かっています 「シリコンバレーのエリカ・ケイン」と 呼んでもいいでしょう ティムは共同創立者と 会社を立ち上げましたが 資金の200万ドルが 翌年 底をついてしまいます 大抵は この時点で会社をたたみますが ティムは戦うことを選びました 11枚のクレジットカードを限度額まで使い 個人的負債は6桁にもなりましたが それでもまだ足りません それで2年間にわたり 2週間毎の給料日 彼は従業員の前に立ち 給料を犠牲にしてくれと頼みました これがうまくいったのです 50名以上の人々が200万ドルの 給料受け取りを延期し 10年以上たった今 パンドラは何十億ドルもの 価値をもつ会社になりました 行く手に何が立ちはだかっても 回避したり やり通す道があるのだ 降伏という文字は 辞書にないのだと信じれば とてつもなく大きな障害も克服できるのです


ではメロドラマの教え その2 「プライドを放棄し 過度な優越感を捨てよ」


これは勇気のいることです 自分に足りない点や 過ちを認めることですからね それは 自分が実は 思っているほど特別ではないことさえ 認めることかもしれません 『ザ・ボールド・アンド・ザ・ビューティフル』の ステファニー・フォレスターは 自分をかなり特別だと 思っていました 「私みたいな特別な人間は 下々の人間と 交わる必要もないのよ」と 地元の少女ブルックにも そのことを思い知らせました しかし25年近くにおよぶ 壮大なけんかの後 ステファニーは病に伏し ブルックを受け入れました ふたりは仲直りし 宿敵はソウル・メイトとなり ステファニーはブルックの腕の中で 息を引きとります ここに学ぶべきことがあります プライドを捨てましょう 人生は 「あなた」のものではなく 「私たち」のものなのです そして喜びや愛を経験し 現実を改善する能力は 私たちが弱さをさらし 自分のしたことや しなかったことの責任を認めて初めて ようやく獲得されるのです スターバックス社CEO ハワード・シュルツのようにです


CEOとして敏腕をふるった後 ハワードが2000年に引退すると スターバックスは 事業の展開を急ぎ過ぎて 株価は下落しました 2008年にチームに戻ったハワードが 最初にしたことの1つは 18万人の全従業員への謝罪でした そう 謝ったんです その代わりに 助力と誠実さとアイデアを求めました そして今 スターバックスの売上高は ハワード復帰時の 2倍以上になりました ですから常に正しく安全な立場に ありたいという欲を捨てましょう そんな欲は誰の助けにもならず とりわけ自分の首を絞めます プライドを捨てるんです


メロドラマの教え その3 「進歩は本当にある」 キャラは不変でなくてもいいのです TVでは 不変=退屈で 退屈=クビです 登場人物は成長し 変化することになっています さてTVでは この大きな変化は いくぶん乱暴な推移を たどることがあります とくに同じ人物を演じる俳優が 昨日と今日とで違ったりとかです 配役の変更は メロドラマでは常に起こります ここ20年のあいだ 4人の女優が 同一の重要人物を演じてきたのが 『ジェネラル・ホスピタル』の カーリー・ベンソンです 女優の交代をきっかけに 人物の生活や性格が変化してきました カーリーの本質部分は 常に同じですが 性格やストーリーは 演じる女優に応じて変わっています


ここに学ぶべきことがあります 私たちは人生において 顔は取り換えられませんが 進歩することはできるんです 同じところをグルグル回って 足踏みを続けるか チャンスに心を開くか 選ぶことができるんです 看護学生から ホテルオーナーになったカーリーや ジュリア・チャイルドのように


ジュリアは第二次世界大戦中 スパイとして活動 終戦時に結婚してフランスに渡り 料理学校への挑戦を決意します ジュリアは本やTV番組で アメリカの料理を革命的に変えました


私たちは皆 人生を変える力を持っています 進歩し適応する力です 選ぶのは私たちですが 時に人生のほうが選択を行い 前兆さえないこともあります 不意の平手打ちを食らうことも そして床にぶっ倒れ 酸欠となり 心肺蘇生が必要になります


ここでメロドラマの教え4に感謝! 「生き返りもアリ」です


(笑)


(拍手)


1983年 『デイズ・オブ・アワ・ライブス』で ステファノ・ディメラは心臓発作で死亡 しかし実は1984年 車が湾に突っこんで死ぬんです しかも1985年に彼は 脳腫瘍を患って戻ってきます


(笑)


しかし腫瘍が命を奪う前に マーリーナに撃たれて ショーの舞台から転落して死にます これが30年続いたんです


(笑)


画面でステファノの遺体を 目の当たりにしても その後の展開は読めました さすが「不死鳥」と呼ばれた男です ここから学べることがあります 番組が放映中である限り または あなたが息をしている限り 不変のものなんて何もありません 生き返りも可能なんです


さてもちろん 人生と全く同様に メロドラマは最後には 大団円を迎えます 『アズ・ザ・ワールド・ターンズ』の 打ち切りをCBSが決めたのは2009年12月 最終話の撮影は 2010年の6月でした 「死」に向かうその6か月 私は 泥舟に乗り続けたんです 当時は大不況の真っ只中で 何百万もの人が 職探しに苦労していましたが なぜか 全てがうまくいく気がしていました 私はブルックリンのアパートを引き上げ 子どもを連れて 夫の両親の家へ引っ越しました アラバマです


(笑)


3か月後 全然うまくいっていませんでした その頃 最終話の放映を見て 私は気づいたんです 絶体絶命なのはドラマだけじゃない 私もだと 働き口もなく 住むところといえば 姑夫婦の家の2階で こんな状況なら誰でも 心が死んでしまいます


(笑)


でも人生はまだ終わってないと 分かっていました 終わりだなんて ありえない 要はメロドラマから学んだことの全てを 活かしさえすればよかったんです エリカのように勇敢に 屈服を拒まねばなりませんでした だから毎日 私は戦う決意をしました ステファニーのように弱さをさらし プライドを捨てねばなりませんでした いくつもの州を渡り歩いて 何度も助けを求めねばなりませんでした カーリーのように適応力を発揮して 自分のスキルや考え方 環境を 進化せねばならず そしてステファノのように 打たれ強くなって 自分自身とキャリアを 取り戻さねばなりませんでした 灰の中から立ち上がる 不死鳥のようにです


そしてついに 面接に呼ばれました ニュースやエンタメの世界で 15年間働き 9ヶ月間の失業生活の末に やっと この面接で 平社員として採用されました 私は 37歳で 死の淵から生還したのです


私たちは皆 一見「結末」的な状況を経験しますが それを「始まり」にするという 選択肢もあるんです ある意味 滝から奇跡的に 生還したティナのようにね それに私 崖っぷちのまま 番組が終わっちゃうのが嫌なんです ティナとコードは確かに離婚しましたが 2012年に放映が終了するまでに 3回も再婚しました


ですから忘れないで あなたが息をしている限り 人生を変えるのに 遅すぎることはないんです


ありがとうございました


(拍手)


テレビで見るメロドラマは度が過ぎていて大げさかもしれませんが、ケイト・アダムスが説明するように、そこには波乱万丈な現実の人生のありようが反映されていることがよくあります。『アズ・ザ・ワールド・ターンズ』のキャスティング・ディレクター補佐だったアダムスはこう説明します。「メロドラマは私たちに、疑念を振り払い、勇敢であることや弱さを受け入れること、そして適応力や回復力といった自分の能力を信じるようにと教えてくれる」。このトークで、彼女は人生や仕事についての4つの教訓に焦点をあて、人生を変えるのに遅すぎるということはないことを私たちに思い出させてくれます。 ( translated by Naoko Fujii , reviewed by Hiroko Kawano )

動画撮影日:2016/9/15(木) 0:00
TED