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カール・サフィナ: 原油流出事故の見えざる容疑者と被害者

9/11(月) 17:06配信

TED

Carl Safina

翻訳

これは昔からよく知っている海です この湾には何度も行っていたので とてもショックを受けました なぜかというと 海のいたる所に なぜかというと 海のいたる所に 原油がそのまま残されていて その光沢が見えているからです これには唖然とさせられました 今日お話ししたいのは 原油流出のことだけでなく その正体や原因について 簡単に説明したいと思います


まずは自己紹介から 子供の頃から釣りが好きで 釣りに行っていたんですが 沿岸の自然が好きになり 海鳥を研究するようになりました 現在 主に海洋変動に関する 本を書いています 海の急激な変化は 以前から観察されています 私達が住む地球というのは 水で濡らした 硬い大理石のようなものです 大気も同じようなものです 大気を全部かき集めて 丸めたとすると 大気を全部かき集めて 丸めたとすると 右のような 気体の球ができます 私達が住んでいるのは きわめて壊れやすく小さな 私達が住んでいるのは きわめて壊れやすく小さな 神聖なシャボン玉です 非常に影響を受けやすいのです


石油 石炭 ガソリンなどを 燃やすことによって 石油 石炭 ガソリンなどを 燃やすことによって 大気は大きく変化し CO2レベルも上がり続けています 私達が気温を上げているのです よって原油流出事故は 人間社会に必要である エネルギーに関する問題の ほんの一部にすぎません 温暖化の他に 海が酸性になるという 問題があります すでに動物への影響が観測されています 現在 研究室では 例えば貝を 通常の海水のpH 8.1ではなく 例えば貝を 通常の海水のpH 8.1ではなく pH 7.5の水に入れると 貝は3日以内に溶解します ウニの幼生の場合 pH 8.1からpH 7.7に移動させると 大きく崩れはしませんが 変形して死んでしまいます すでに ある地域では 商業用のカキの幼生が 広範囲で死滅しています サンゴ礁の成長に遅れがみられる 地域もあります サンゴ礁の成長に遅れがみられる 地域もあります 大きな問題なのです


湾を少し ぐるっと周ってみましょう 湾に住む人達には 感銘を受けました 彼らはまさに 海の人だからです 水をうまく活用し 頻繁にくるハリケーンや 水をうまく活用し 頻繁にくるハリケーンや 洪水への対策も心得ています しかし水以外のことで 水中の生息環境が変わると 彼らに 多くの選択肢はありません コミュニティー全体を見ても 水にかわるものはないのです ホテルで働こうと思っても無理です ホテル自体がないのですから


湾の周囲には 多くの原油が見えます 海の上や 岸辺にも見られます 流出現場に行くと 信じがたい光景が まるで車のオイル受けを ひっくり返したかのようです 一番信じられないのは 原油を回収しようとする人が 誰もいないことです ここの海一帯が 悲惨な状態になっています 岸沿いを進んでいると そこら中に原油が見られ めちゃくちゃな状態です アラバマの東海岸に行くと 浜辺を掃除している人達がいます 掃除方法が変わっています 200 Lのビニール袋に 砂を5 kgしか入れず 200 Lのビニール袋に 砂を5 kgしか入れず ビニール袋は何千とあります 何をしたいのかわかりません 一方で 今でも 浜辺を利用する人達もいます 水から離れろという看板はなく 子供たちが海に入って 石油まみれ 服もサンダルもめちゃくちゃです 原油が残っている所に行くと もっとめちゃくちゃで 基本的に誰もいません 数人が利用しているだけです


ノイローゼになる人もいます 彼らは働き者で 朝起きたら エンジンスタート さあ仕事だ という感じです 彼らは 自然が 沿岸の生態系を通して 与えてくれる安心感に 依存していると感じています 与えてくれる安心感に 依存していると感じています その世界が壊されていると 知ったのです 見てください ショックをあらわす看板 憤怒をあらわす看板 怒りをあらわす看板 悲しみの看板 これらは目に見えるものです


しかし海の中には 目に見えないものばかりです 海の中はどうなっているのでしょう 原油が水中に浸出しているか 意見が分かれます マーキー議員によると 「潜水艦で 原油の有無を 調べられないのだろうか?」 「潜水艦で 原油の有無を 調べられないのだろうか?」 しかし潜水艦は使えませんでした 前に湾に行ってから 今日までの間 メキシコ湾に原油があるのか 調べる実験をしてみました ここがメキシコ湾です 魚の豊富な輝ける場所 このメキシコ湾に 少しだけ油を流出させました 仮説は裏付けられることになります 油と水は混ざりません でも分散剤を加えると 混ざり始めます そこに風や波などの エネルギーを少し加えると もう大変なことになり めちゃくちゃです きれいにすることも 原油を抽出することも不可能です そしてなによりも 見えないことがやっかいです わざと隠されているのだと思っています これ程の大惨事だと 多くの情報がもれて聞こえてきます 噂通り 事故のもみ消しがあります 私の個人的な考えですが この分散剤というのは 死体隠ぺいのような 常套手段だと思います 殺人犯の証拠隠しですね 海上に密集した原油は 目で見ることができます 海上に密集した原油は 目で見ることができます そこに一撃を加え 証拠を消しているのでしょう


さて 微生物が油を食べれば ウミガメも食べます 原油の流出があれば 微生物が分解するまで 長い時間がかかります 原油をウミガメが食べ 魚はエラから吸収します そして原油の中を泳がざるを得ません 今日ここに来る途中 電車の中で信じられない話を聞きました 今日ここに来る途中 電車の中で信じられない話を聞きました テッド・ウィリアムという作家で 何を見たのか 質問されました オーデュボン誌の記事を 書いていたのです 彼は1週間前に 湾に行っていて 釣りガイドをしていた男に 事故現場を案内してもらったそうです そのガイドは 年中 仕事の予定が空いていました そのガイドは 年中 仕事の予定が空いていました 予約金も返還を求められ 誰も近寄ろうとしません 何千人という人が 同じような状況です しかしそのガイドによると 海に出た最後の日に バンドウイルカが 突然ボートの横に現れ 噴気孔から 油をまき散らしていました イルカから離れました なぜなら最後の釣り だということもあり イルカが魚を怖がらせることを 知っていたからです だからイルカから離れ 数分後振り返ると またボートのすぐ側まで来ていました 30年の釣りのなかで イルカの こんな行動は初めて見たそうです そして これはまるで― 助けてくれと 言っているように感じたそうです


エクソンバルディーズ号 原油流出事故では シャチの30%近くが 数ヶ月で死にました 個体数は回復していません 個体数の回復率は ばらつくでしょう 時間がかかるものもあれば 早く回復するだろう というものもあります メキシコ湾には重要な役割があります 1年のある時期に 多くの動物がこの湾に集まります そのためメキシコ湾は 重要な水源で 大西洋の等量の水より 重要だといえます マグロは世界の海を渡ります 湾の水流に乗り ヨーロッパまで 産卵するときは 内陸にまでやって来ます 2匹に標識をつけて 産卵場所がわかるようにしました なめらかな場所を選んでいます 今年の産卵時期は 多分 悲惨なことになるでしょう 親魚が汚れた水を 避けてくれることを願います 通常 濁った水には 入ろうとしませんが 非常に運動神経の良い魚なので 何がエラに影響を与えるか わかりませんし 親魚への影響は わからないのです だとしても 卵や稚魚には 確実に影響があると思っています だとしても 卵や稚魚には 確実に影響があると思っています 下がり続けている このグラフをご覧ください 私達が 数十年に渡って 乱獲してきた結果です


原油の流出により 壊滅的な被害となった一方で 心に留めておきたいことは 私達は長期間にわたり 海に 多大な影響を与えてきたということです 私達が何か始めると 良いことではなく 多くのストレスと問題が つきまとってきます 鳥を見てみると 1年のある時期に 多くの鳥が湾に集まり やがて飛び立っていきます 鳥たちの生息域はずっと広範なのです 例えば この写真の鳥は ほとんどが渡り鳥で 原油が流れてきた5月に この湾に来たというわけです 左下に キョウジョシギと ミツユビシギがいます 北極で子育てをし 南アメリカの南部で冬を過ごします メキシコ湾に集まり やがて北極各地に飛び立ちます グリーンランドで繁殖する鳥も メキシコ湾で見かけました よって これは半球規模の問題なのです 経済的影響も 少なくとも 米国全土で見られ 生物学的には 半球規模の影響があります


これは全く予想だにしなかった 唖然とする例の一つです 日本軍が真珠湾を爆撃した時でさえ 撃ち返すことはしました でも今の私達は 何をすべきかわからないでいます 何もできていないのは 現在の対策を見れば明らかです 今やっている主な方法は ブームと分散剤です ブームは広い範囲には 展開できないので 原油が多くたまっている箇所を 囲うこともできません 原油が多くたまっている箇所を 囲うこともできません 沿岸近くに ボートが2艘 右のボートは通称「釣りバカ」 良い名前ですね 湾の何千平方マイルも広がる 海上の原油を ブームで囲おうと 躍起になっているんですから


分散剤によって 原油は ブームの下を通ることができます ブームの直径は たったの30 cm程です こんなバカげたことありません 何百というエビ漁船を雇い 網ではなく ブームを引張ることが 彼らの仕事となります 原油まみれの海水が ブームの後方へ移動しています 実はかき混ぜているのです ばがげています 何百マイルもの沿岸が ブームだらけになると 何百マイルもの沿岸が ブームだらけになると 隣の沿岸にはブームが一つもないので 原油や汚れた水が 簡単に入ってこれます


下の写真は 鳥のコロニーが囲われています コロニーを守ろうとしているんです 鳥類学者としていいますが 鳥は飛びます (笑) コロニーを囲っても 意味がありません 鳥たちはエサをとるため 海に潜らないといけません 鳥たちが第一に しなければいけないのが 巣を守ることです 巣がすべて壊されてしまえば 鳥は離れていくでしょう 今回は そうなった方がましだったでしょう 鳥の洗浄について言うと 鳥をきれいにする人を 非難するわけではありませんが 思いやりを示すことが 本当に大切です 人間が持っている 一番大切なものが思いやりですから こういったイメージを持ち それを表現することが大切です しかし 鳥たちは どこに放されるというのでしょう まるで燃えるビルから連れ出し 煙の吸入をケアした後 再びビルの中に戻すようなものです 原油はまだ流出しています


これを事故として 認めるわけにはいきません これは重過失によって招かれた事態です (拍手) BPだけではありません BPが ずさんで無謀な 操業をしたのは BPが ずさんで無謀な 操業をしたのは それができたからです 私達を守る立場である政府の 完全な監督責任だとして 許されてしまっています 米国では ほとんどの商船に この看板が見られます 原油が数ガロン流出すれば 大変なことになります 誰のために法律が作られ そして誰が法の外にいるのか 誰のために法律が作られ そして誰が法の外にいるのか 考える必要があります 将来私達にできることがあります 必要だけど 手に入れられなかった装置です 石油を求め メキシコ湾の海底に 30,000個の穴を作れば その内の一つから石油が出てきても なんら驚くことではありません これこそ私達が しなければいけないことです


実際どこから流出が始まったか 理解する必要があります 「政府は公共の利益を守る 私達の味方なんだ」という考えが 破綻するところから始まっています 原油の流出や 銀行救済 住宅ローン危機などは 同じ原因で起こる症状に 違いありません 一部の悪い人間から 守ってくれる警察は 最低限必要だと 私達は理解しています きっぷを切られたり 少々うっとうしい所があっても 警察は廃止すべきだ なんて言う人はいません この30年間 政府全体において 規制撤廃の動きがありました 規制撤廃の動きがありました これを主導したのは 私達を守る立場の人達で 裏で政府を買収していました


(拍手)


これが今でも問題となっています 米国の創建時には 企業は違法でした トーマス・ジェファソンでさえ すでに米国の法律を無視していると 不満をもらしました すでに米国の法律を無視していると 不満をもらしました 自分は保守派だと言う人がいますが 本当に保守派の愛国者になりたければ 企業に向かって 地獄に落ちろというでしょう これが真の保守派です そこで私達が本当にすべきことは 我々の利益を守るのは政府だ という考えを取り戻し この国の失われた連帯感と 共通の利害を取り戻すことです


希望の光が見え 私達は少し目を覚ましつつあります


グラス・スティーガル法― これは不況や 銀行の破綻 救済が必要な状態などが 起こるのを防ぐ法律です 1933年に施行されましたが 組織的に崩されてしまいました 現在 こういったものを 復元しようという雰囲気があります しかしロビー活動家たちはすでに 法案が可決した後 規制緩和をしようとしています だから戦いは続いています 今が歴史的瞬間です 湾での原油流出という大惨事を招くか 湾での原油流出という大惨事を招くか 多くの人が気付いている決断をし 抜け出すかのどちらかです 抜け出す決断をするには 共通のテーマがあります


以前にも海洋掘削のときに経験があります 初め 海上油田の名前は「クジラ」で 掘削機の名前は「モリ」でした 当時 海のクジラの数が減少していました 私達が洞窟に住んでいた時から エネルギーが欲しいときは 火で何かを燃やします 今もやっていることは同じです 今でもエネルギーが欲しいとき 何かを燃やしています


クリーンなエネルギーは高価で 使えないと言われます 誰が高価だと言っているのでしょう? 石油を売っている人達です 前にここに来た時も エネルギーを切り替えれば 経済が耐えられないと言われました 安価なエネルギーは奴隷です エネルギーとはモラルの問題なのです 善か悪かの問題でもあります


ありがとうございました


メキシコ湾の原油流出事故は理解しがたいものですが、わかっていることは悪いことだということです。カール・サフィナは血の沸き立つような反対尋問の中で、真実を掘り下げていきます。その影響はメキシコ湾にとどまるものではありません。また、多くの「解決策」が状況を悪化させていると論じます。 ( translated by Hidehito Sumitomo , reviewed by Yoshinari Fukuzawa )

動画撮影日:2010/6/28(月) 0:00
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