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ナオミ・マクドゥーガル・ジョーンズ: ハリウッドにおける女性の現状

12/6(水) 9:58配信

TED

Naomi McDougall Jones

翻訳

今日は あるお話から始めて 革命で終わらせようと思います


(笑)


準備はいいですか?


観衆:はい!


では まずはお話から 私はずっと 女優を夢見てきました とても幼い頃から 物語の持つ不思議な力を感じ 物語に関わりたいと 思っていました だから21歳になり ニューヨークの演劇学校を 卒業した私は ニューヨークの演劇学校を 卒業した私は 希望に満ち溢れ 第2のメリル・ストリープに なる気満々でした 写真は祖母で メリルではありません


(笑)


この話の背景として 重要なのは 私の親が ガチガチのフェミニストだった ということです 例えばこんな感じでした 5歳か6歳のころ サウンド・オブ・ミュージックにハマり 「もうすぐ17歳」という歌を 毎日のように 走り回りながら歌っていました すると母は私を座らせ とても真剣にこう言いました 「ねえ 聞いて その曲を歌ってはいけないとは 言わないわ でも歌うなら しっかり理解してほしいの その曲がどれだけ 性差別を助長しているか」


(笑)


そんな家庭で育ちました だから 正直全く思っても みませんでした 女性だからという理由で やりたいことを 邪魔されるなんて


学校を卒業した私は オーディションを受け始め 少しずつ仕事も得ました でも 女性の役は どれもひどいと 気づき始めたのです 私が女優になったのは 賢くて 自由で 奥深い 面白く 複雑な 自信に満ち溢れた 女性の役を演じるためでした メリルのように それなのに突然 華やかで才能あふれる 他の300人の女優たちと こんな役を競うことに なったのです 「[女性]セリフなし 役者はバルコニーに立ち さみしそうに家の中に 戻ってくるだけ ヌードは部分的なもののみ」


(笑)


「[サラ]ブライアンの意中の相手 魅力的で可愛く 思わせぶりな 理想の女の子で 本編を通して ブライアンが追い求める」 「[母親]美しい生粋の南部女性 人生の唯一の目的は 夫に尽くすことだと 信じている」 「[アビー]露骨でない 集団強姦シーンあり また19世紀のダンスも踊る」


(笑)


これらは実際の配役の記述です ある日 エージェントに こう伝えてみました 「芝居を楽しめるような役柄が 回ってこない気がするんです」 すると彼は「そうだね どうすればいいか分からないよ 君は 20代の女性の役を 演じるには 頭が良すぎるし セクシーな役ができるほど 可愛くもない 35歳になったら 何とかなるかもな」


(笑)


「それは意外ですね 35歳になったら なんていうか 女優としての峠は過ぎて 20歳の子の母みたいな 役ばかりかと思っていました」 彼は言いました「そうだよ


(笑)


そういうものだから」


それから1年くらい経ち 女優友達とランチをした時 この現状はおかしいという 話になり 私たちは決めたのです いっそのこと 自分たちで映画を作ろうと 私は2人の複雑な 女性を描くことにし 実行しました 映画の製作にあたり たまたまですが 女性だけの製作チームが編成されました 脚本 監督 プロデューサー 主演の2人も女性です それから間もなく とある有名な 男性プロデューサーのオフィスで こう言われました 「君たち いつかは 男性のプロデューサーも チームに入れないといけないって わかっているよね? 皆が安心して君たちに お金を預けられるためにね」 周囲から何度も言われました 「女性に関する映画なんて 皆そんなに興味ないよ 他のものを作ったらどう? そういうものだから」 でもとにかく映画を作りました 結局私たちは 8万ドルをかき集めて映画を作り 非常に良い結果も残しました 様々な映画祭に呼ばれ たくさん受賞し 影響の大きさに興奮しました


でも 経験した女性差別が ずっと引っかかっていました だから それついて 話し始めたのです 映画の上映会後の 質疑応答から始めて 次第に会議のパネラーとして 呼ばれるようになりました まず とても驚いたことに 私がこの話を 観客や 映画業界に 入ってくる人たちにすると 誰もがこういう反応を示したのです 「これはひどい! 私たちはどうするべきだろう?」 でも 出る会議が大きくなると あるアカデミー賞候補者に 唐突に言われたのです 「君の言うことには どれも同意するけれど どこで言うかは 本当に気を付けた方がいい」 また ある女性プロデューサーは 女性という切り札を使うのは 好ましくないと言いました そういうものだからと


だから2016年の今もなお 性差別が続いているのではないでしょうか 大抵 性差別は 何気なく行われます 無意識なことさえあります 既存のシステムと うまくやろうとすることで 性差別は起こります 若い女性に 世の中 「そういうものだ」と教えようという 純粋な欲求から 起こるのかもしれません 問題は 私たちが 現状をどうにかしないと 世の中はずっと このままだということ


ではなぜ この問題を 考えなければ いけないのでしょう? 世界が直面している重要な 課題は他にもたくさんあります 世界が直面している重要な 課題は他にもたくさんあります 私が仕事を得られなかったり 皆さんが『トランスフォーマー17』を 見ることになっても どうってことありません


(笑)


こう考えてみてください 『ジョーズ』が公開された年 アメリカ人は怖いものトップ10に 急にサメを選び始めました 1995年 BMWはジェームズ・ボンド シリーズに300万ドルを支払いました ボンドカーをアストンマーチンから BMW Z3に変えてもらうためです これだけで 多くの人が この車を買い求め BMWは先行販売だけで 2億4千万ドルの売上を記録しました 『メリダとおそろしの森』と 『ハンガー・ゲーム』が公開された年 アーチェリーをする女性の数が 105%増えました


(笑)


研究によると 観た映画は単に その人の趣味に影響するだけでなく 仕事の選び方や 感情 アイデンティティーの感覚 人間関係 精神状態 配偶者の有無にまで 影響を及ぼすのです


こう考えてください もし これまで観てきた映画の大半が アメリカ映画だった場合 皆さんが観た映画の95%は 男性によって監督されていて 80%から90%くらいの割合で 皆さんが観た映画の主役は 男性なのです 過去5年間に限ってみても 皆さんが映画中で観た 女性は 55%の割合で 裸か 肌を露出していました 映画は皆さんや 社会全体に影響を与えます 実際 こんな状況が 蔓延しすぎているせいで 影響の程度は 想像すらできません 物語というのは― 映画は現代版の物語ですが― ただの娯楽ではなく 生き方を学ぶための メカニズムなのです 世の中や その中での 自分の立ち位置を 理解する場なのです 自分とは違う経験をした人と 共感する力を養う場なのです でも今は こういった経験が 1つの視点だけから 作られてしまっています その視点が悪いわけでは ありませんが 私たちには他のものも 見る資格があるのでは? 様々な視点の物語が語られたら 世界はどう変わるでしょうか?


私たちは 何をすべきでしょう? 多くの皆さんは恐らく 始めて聞く話だと思いますが 映画業界では これまで何年も たくさんの人が 私よりずっと長く 講演をしたりパネルに出たり 記事を書いたり 研究をしてきました そしてハリウッドに改善を求めて 叫んできたのです 文字通り 叫んできたんですよ それでもパラマウントとフォックスが 最近出したスケジュールによると これから2018年にかけて公開される 47本の映画のうち 女性の監督作品は 1つもないのです 私は ハリウッドに 良心が芽生えるのを 待つのは得策ではないと 考え始めました どうやら 一握りの権力者たち お金も権力も資源も みんな握っている人たちにとって それらを手放すのは 面白くないことのようです 彼らにお願いしても 変わりはしません 叫んだって無駄なのです 変化を起こすには 革命が必要です どうか心配しないでください お約束します 今日 この場での死者数は かなり少ないはずです


(笑)


では 革命のための 4項目からなる計画をお伝えする前に― そう 4項目の計画があるんですー 2つの素敵で重要なニュースを お伝えしますね


良いお知らせ1つ目 女性の映画製作者は 実在します


(拍手喝采)


素晴らしいでしょう!


(拍手)


実在するんです! 映画学校卒業時の 男女比率は実は五分五分です 女性は卒業生の50%を占めますが 残念ながら 予算の少ない映画 すごく小規模な映画でさえ 女性監督作品は18%に過ぎません もう少し大きい映画 100~500万ドル規模の予算の インディーズ映画では さらに12%にまで落ちます ハリウッド映画規模では たったの5%に なってしまうのです これを見て 心の中で こう思った方もいるでしょう 「女性は単に 映画監督に 向いていないんじゃないか」 おかしな疑問でもありません だって映画業界は実力主義だと 信じたいじゃないですか


ハッハッハッ


(笑)


でもこの推移を見て 女性が男性の5%しか 能力がないと受け止めますか? ー私はそう思いません もしくは 重大な構造的問題があり 女性の活躍を妨げていると 受け止めますか? でも幸い 女性はゼロではなく まだ生かされていない 大きな可能性がここにあります 良いお知らせ2つ目 これは本当にいいお知らせですよ 女性が作る 女性に関する映画は 興行成績が良いのです そうなんです!本当ですよ!


(拍手喝采)


本当なんです ワシントンポスト紙の 最近の調査によると 女性を題材にする映画は そうでない映画に比べ 1ドルあたり 23セント多く稼いでいます さらに私と同僚は 調査を委託し 過去5年間に製作された 1,700本の映画を調べ 平均的な投資回収率 つまり 映画が どれくらいお金が稼げるかを 各役割が 男性の場合と 女性の場合で比較しました 監督 制作 脚本 主演の それぞれについてです どの役割においても 女性の方が 投資回収率が 高いという結果となりました 実際 映画のチケットを買うのは 51%が女性です 女性が作る 女性の映画は 興行成績が良く そしてもちろん 女性が好きな 男性も少なからず いるはずなので


(笑)


「女性の映画」は 女性だけのためではないのです それでも ハリウッドが分類する 「女性の映画」は 全体の18%に過ぎません つまり 非常に大きな観客層の ニーズを満たしておらず 未開拓の収益化の 可能性があるのです 女性の製作者は実在し 伝えたい物語もたくさんあります 色々言われてはいても 観たい観客はいるのです 諸悪の根源は ー「ハリウッド」とでも 仮称しましょうか


(笑)


冗談ですよ ハリウッドにも 素敵な人はいます ー 「ハリウッド」が観たい映画を 見せてくれないこと では 革命を起こす 4項目の計画をお伝えします 男性 女性にかかわらず 会場の皆さんや 世界中の方の 助けが必要です


これは女性のためだけの 革命ではありません 権利を奪われてきた人や 語りたい物語を語れなかった人にも 同じ原理が当てはまります 皆で協力して本当に 革命を起こしたいのです


4項目の計画の 1つ目:映画を観ましょう いい革命でしょう?


(笑)


まずは 映画を観る方に 言いたいのです この中で映画を観る方は? 素晴らしい! 月に1本 女性が製作した映画を 観てくれませんか? まずは それだけで大丈夫です 該当する映画が分からなければ moviesbyher.comで 検索してみてください 女性が作った映画を簡単に探せる データベースです それから 映画を観るときに 女性の役柄について 注意深く観察してください 女性は何人登場するか? 何を着ているか? もしくは 着ていないか? かっこいい役割か? 男性を感情的に 支えるだけの存在か? これは一度気になりだしたら 無視できないですよ そして一度気づきだすと 観る習慣が変わってきます すると 既に十分大きな 市場がさらに広がります


2つ目:映画を作りましょう 映画製作に携わる 女性の皆さん 皆さんの大きな 勇気が必要です 男性に比べ皆さんが 映画を作るのは難しく 実際 業界全体が絶え間なく 皆さんの物語を 軽視してくるでしょう でもめげずに 作ってほしいのです 女性が18%しかいない低予算映画 この層を私たちが変えましょう 誰かの許可を待ったり 誰かが見つけてくれるのを 待つのはやめましょう 95%の人は 見つける気が ないのですから クラウドファンディングや 変わり者の親族に 手紙を書くことは 苦労を伴う方法ですが でも今こそ 皆さんが短編ではなく 長編の映画を作る必要があります あなたの映画を待っている 観客がいるんです


3つ目:お互いに投資しましょう 映画製作に携わる女性の皆さん 私たちを必要としないシステムに 労力を費やすのを もうやめませんか? 私たちの観客を探し 観客を増やすための 投資が必要です 映画を作って それを観たい観客に届ける方法を 見つけられれば こっちのもの そういうゲームなんです その中間にあるシステムなんて そんなに重要ではなくなります 観客の皆さん 私たちに投資してください 皆さんの観たい映画を作るために 助けてください 例えば クラウドファンディングで 女性の製作者に25ドルを寄付できるなら 素晴らしいことです もっと本格的な投資 100万ドルの壁を越えるための 援助ができるなら 是非お願いします 語られない もう半分の 物語のために投資してください


4つ目:事業で変革を 起こしましょう ビジネスマンの皆さん 起業家の皆さん これは世の中でそう頻繁に 起こることではないですが 今 私たちは貴重な状況に 居合わせています 皆さんが大きな 社会的変化を起こしながら 収益も上げられるという状況です ハリウッドというシステムが 崩壊する時が来ました これまでの資金調達や配給の 方法は崩れかけています どうか 参加して 壊してしまいましょう 例を挙げます 現在 私は素晴らしい女性たちと The 51 Fundを立ち上げています 女性が脚本 監督 演出を手がける 映画に出資する ベンチャーキャピタルで 100~500万ドル規模の 映画が対象です 私たちは 数多くの 女性映画製作者に 映画を作り それを待つ観客へと届ける機会を 提供しようとしています 社会の平等のためにも ビジネスにもなることです ただし これは 一つの例に過ぎません 変化の余地は もっと大きいのです だからお伝えします ハリウッドは 儲かるチャンスを見逃しています どうか掴みに来てください


(拍手)


大ごとに感じるかもしれませんが 実際 十分に実行可能です 凝り固まったシステムは その責任者に頼んでも変わりません 欲しいものが手に入らない みんなが立ち上がることで 変化が起きるのです やってみたくないですか? 映画を観る51%の人が どう反応するか見てみたいです 自分と違う人たちについて 教えてくれる映画を 私は観てみたいです 完璧ではない女性の体を 映画で観てみたいです 少年たちが女性の役柄に 感情移入し より素敵な人に育つ きっかけを与えたいです そしてなにより 現実ではロールモデルが いないかもしれない少女たちに 彼女たちが叶えたい夢を 何でもやってのける女性の 映画を見せてあげたいです


これは一つの業界を 良くする話ではありません 世界を良くする話です 助けてくれますか? もう待つのは終わりです これから革命が始まります


(拍手喝采)


映画で目にすることは、私たちの趣味や、仕事の選択、感情ばかりか、アイデンティティーにまで影響を及ぼします。スクリーン上でも、映画製作過程でも、現在活躍する女性の数は十分ではありませんが、ハリウッドが変わるのを待つのは得策ではないとナオミ・マクドゥーガル・ジョーンズは考えます。女優であり活動家である彼女の「ハリウッドに革命を起こすための4項目の計画」にぜひ協力しましょう。 ( translated by Chiaki Ishihara , reviewed by Yasushi Aoki )

動画撮影日:2016/11/19(土) 0:00
TED