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解説「受動喫煙対策」賛否で溝

日本テレビ系(NNN) 4/21(金) 22:08配信

 注目ニュースや話題を「読売新聞」の専門記者が解説する『デイリープラネット』「プラネット Times」。21日は「屋内禁煙 賛否で溝」をテーマに、読売新聞政治部・山崎崇史記者が解説する。

 東京オリンピック・パラリンピックが3年後に迫る中、政府は、たばこを吸わない人が他人のたばこの煙を吸い込む「受動喫煙」の対策を進めている。しかし、自民党内では慎重論が広がっており、調整は難航するとみられている。

 IOC(国際オリンピック委員会)は、「たばこのないオリンピック」を推進している。このため、厚生労働省は、学校や医療施設を敷地内禁煙とするほか、飲食店や商業施設では喫煙室以外での喫煙を認めないなどとする対策強化案を公表している。

 今、日本の「受動喫煙対策」は、世界的にみても遅れていると言われている。現在の健康増進法は、学校や病院、飲食店など、多数の人が利用する場所では、受動喫煙対策を講じるよう求めているが、罰則のない努力義務のため、依然として多くの人が受動喫煙の被害に遭っている。

 これに対して、先進国や近年のオリンピック開催地では、屋内禁煙を徹底している。これらの状況から、WHO(世界保健機関)の報告書で日本は、受動喫煙対策が世界で最も遅れている「世界最低レベル」と評価されている。

 厚生労働省は、「屋内禁煙」について、今国会への法案の提出を目指しているが、飲食店を原則禁煙とすることに対して、一部の自民党議員が反発しており、法案はまだ提出されていない。飲食店の経営者が、禁煙となることで売り上げが減少するのではないかと懸念しているためだ。

 このほか、伝統的に自民党を支持しているたばこの生産農家や販売業者も経営への影響を心配していて、規制強化に慎重な姿勢。

 これに対して厚生労働省は、受動喫煙による健康被害の深刻さを訴えるだけでなく、規制を強化した各国の例を参考に、「たばこや飲食店の売り上げに影響はない」と説明し、規制強化に理解を求めている。

 しかし、飲食店やたばこ農家の心配に理解を示す議員もいるため、自民党と厚生労働省との調整は難航している。

 今後、最大の焦点は、やはり飲食店の取り扱い。厚生労働省の対策強化案では、小規模なバーやスナックは、例外的に喫煙を認める方向。これについて、小規模とは何平方メートルを基準とするのか、といった点や、スナックやバーと、レストランや居酒屋をどう区別するのかといった線引きも課題となりそうだ。

 一方、国民の8割以上は、たばこを吸わなくなっていることや、受動喫煙による健康被害があることから、何らかの対策が必要だという認識は、自民党内にも広がっている。

 受動喫煙への国民の関心は高まっており、罰則を伴って受動喫煙を規制する法律を作るチャンスは、今しかない。深刻な健康被害が生じている現状を少しでも改善するため、規制強化への賛成派、反対派、それぞれの歩み寄りが求められていると思う。

最終更新:4/22(土) 6:15

日テレNEWS24