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3月末で廃線…“天空の駅”に旅行者急増

2017/12/28(木) 20:12配信

日テレNEWS24

Nippon News Network(NNN)

列車は1日わずか5本。乗客の減少に苦しむあるローカル線に、今、全国から多くの旅行者が押し寄せている。来春廃線になるこの路線。中でも、“天空の駅”と呼ばれる駅に熱い視線が注がれている。旅人の心を引きつけるものとは?

     ◇

島根県江津市にあるJR江津駅。まだ夜も明けぬ午前5時、人々が車両に乗り込んでいく。ローカル線の始発列車とは思えないほどにぎわいをみせる車内。1日わずか5本ほどの列車は連日、満席の状態が続いているという。

大阪からの観光客「青春18きっぷで来ました。この子が電車好きなので」

兵庫県からの観光客「廃線になるから来ました」

島根県と広島県、2県をまたぎ108.1キロもの区間を走り続けてきた三江線。乗客の減少などを理由に、来年3月末をもって約90年の長い歴史に幕を下ろすことが決まった。約4時間の旅の中、車窓には雄大な川と、そびえ立つ山とのコントラストが広がる。

三江線の旅の魅力はほかにも。誰が名付けたのか、その名も“天空の駅”と呼ばれる駅がある。

里山風景の広がる宇都井駅。エレベーターなどはなく、116段もある長い階段を降りきり、地上に出るとその理由がわかった。

宇都井駅は地上約20メートルにあり、JRの高架式の駅としては日本一の高さ。山間にそびえ立つこの姿から“天空の駅”として注目され、わずか数人の利用者しかいなかった駅に乗客が押し寄せるようになった。

過疎化が進む沿線の住民たちにとっても、三江線は“オンリーワンの列車”でもあり“シンボル”でもある。

地元出身者「やはり地元唯一の列車なのでとてもさみしいですね」

ただ、その思いは、しっかりと形となって残されている。宇都井駅の駅舎にひっそりと置かれた15冊ほどのノートの束。全国から訪れた人々が、三江線を応援するメッセージを書き込んでいく。このノートを用意しているのは、JRではなく、長年この地域で生活してきた松島喜久恵さん(92)だ。116段の階段をのぼり、ノートを補充し続けている。

松島さん「つえと手すりで(階段を)のぼるんよ、おばあさんはね。(メッセージを)みなさんが書いてくれるからうれしいです」

人生の大半をともに過ごしてきた三江線との別れには――「悲しい悲しい。悲しい言うても仕方がないわな。赤字になるからなあ」

しかし、さびれていくのをただ待つばかりではなさそうだ。

実は、全国各地で廃線後の資源を観光地化する動きが進んでいる。岐阜県飛騨市では、廃止された神岡鉄道の線路を自転車で走るアトラクションなどを実施し、年間4万人もの集客を実現している。三江線や“天空の駅”の今後についても、宇都井駅がある邑南町役場は観光資源としての活用を模索しているという。

最終更新:2017/12/28(木) 21:03
日本テレビ系(NNN)