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シリア内戦長期化で“思いがけない変化”も

2018/11/16(金) 9:54配信

日テレNEWS24

Nippon News Network(NNN)

内戦が続く中東シリアにNNNの取材班が入った。アサド政権が内戦で圧倒的優位に立つ中、長期化した内戦は、シリア国内に思いがけない変化をもたらしていた。

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シリアの首都ダマスカス。街はにぎわいを見せ“内戦下の首都”という暗いイメージはない。しかし、数キロしか離れていない近郊の東グータ地区に行くと、建物は破壊し尽くされ、無人の荒野が広がっていた。東グータ地区は反体制派の支配地域だったが、アサド政権側が半年ほど前に制圧。激しい戦闘に加え、食料なども不足し、“地上の地獄”と言われた。

軍の兵士に連れられ、付近の建物の地下へ。そこにあったのは、かつての反体制派の拠点だった。トンネルもあり、中には車も。軍の兵士によると、この車で戦闘員や武器を運んでいたという。

戦闘員が使ったとみられるソファやベッドも。地上での攻撃を避けて、身を潜めていたという。

アサド政権軍の兵士「これは当時、反体制派が使っていたものだ」

薄暗いトンネルは、反体制派の必死の抵抗を物語っている。

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36万人以上が死亡したシリアの内戦。西部のタルトゥースの墓地には内戦で命を落とした軍の兵士が眠っている。私たちは墓参りに来ていた親子に出会った。

戦死した兵士の母親「今日は息子の誕生日なんです。『誕生日おめでとう』の代わりに、毎年『忘れないからね』と言うんです」

残された家族の悲しみは消えない。

戦死した兵士の妹「お兄ちゃんは私を残して死んじゃったの。私にアルファベットを教えてくれたの」

タルトゥースは、内戦で一貫してアサド政権を支持してきた。そのため、多くの若者が軍に加わり、命を落とした。その結果、思いがけない事態も起きている。市内のマーケットで目に付くのは、女性ばかり。

未婚女性(17)「軍隊に入った若い男性がたくさん死んで、女性が多くなってしまった」

若い男性が多数戦死したため、女性たちは結婚もままならない。

未婚女性(33)「生活のために、すでに妻がいる男性と結婚する女性もいます」

イスラム教は一夫多妻を認めているが、トラブルも絶えないという。

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一方、失ったものもあれば、手に入れたものもある。私たちが訪れたのは石けん工場。アサド大統領の大きなポスターに見守られながら、従業員が働いていた。

実は、石けんはもともとシリア北部アレッポの名産品。アレッポはかつて反体制派の一大拠点だったため、戦闘に巻き込まれるのを恐れ、工場を移したという。

必要な資金を融資するなど、後押ししたのはアサド政権。工場の移転先となったタルトゥースは政権を支持したことで、その恩恵を受けた形だ。

石けん工場の経営者アンマール・ナジャールさん「シリア政府、アサド大統領に感謝しています」

内戦が終わりに近づく中、シリア国内では内戦の勝者と敗者がより鮮明になりつつある。

最終更新:2018/11/16(金) 10:28
日本テレビ系(NNN)

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